「南海トラフ巨大地震」では津波の危険性が指摘されているが、大分県では大分市や佐伯市などで最大震度6強など強い揺れも想定されている。その揺れとは一体、どんなものなのか。
また災害時に活用しようと、移動できる建築物「モバイル建築」を導入した自治体を取材した。
「地震ザブトン」でリアルな揺れを体験
訪れたのは大分大学。
３月に導入したというこちらのイスはその名も「地震ザブトン」。
土台から動くシミュレーターで観測データをもとにしたリアルな揺れを再現する。
南海トラフ巨大地震で想定されている震度６強の揺れを実際に体験させてもらった。
まず、小刻みな揺れが襲う。
その後、体が振り落とされそうになるほどの前後左右への激しい揺れに。
突然、震度６強の揺れに襲われたら動くことさえ難しいことが身をもって分かった。
TOS田辺智彦キャスター：
「震度6強の揺れはある程度想定はしていましたが、実際に起きると立っていられない何もできないのが正直な感想です」
大分大学 減災センター鶴成悦久教授：
「地震に関しては津波が一番影響すると考えがちだが、地震への対策、それができて初めて津波への対策に繋がっていく」
災害対応拠点に「モバイルハウス」
大分県の試算によると、南海トラフ巨大地震では地震の揺れそのものの影響で大分県内で約１万棟の建物に被害が出るとされている。
最大震度7を観測した2016年の熊本地震では熊本県の宇土市役所が被災した。
その後、簡易的なテントを立てて業務を行ったが、プレハブの仮庁舎が建設されるまでは4か月近くかかったという。
こうした場合に対する備えとして大分県由布市が３月、導入したのがこちらの建物。
木造２階建てで会議用の部屋やホールなどを備えており、1つの建物に見えるが実はそれぞれ独立した部屋を連結している。
現地に運んでしまえば１日で組み立てることができ、分解も１日で可能だ。
通常は職員の研修などで使用するが、災害時には被災地に運び現地対策本部などが入る庁舎などとして活用することを想定している。
由布市防災危機管理課 大久保誠さん：
「熊本地震の際は庁舎が壊れて非常に混乱したと聞いている。この建物も庁舎の代わりに使うことが出来るのでそういった時にも活用できます」
紹介した建物は移動できる建築物という意味で「モバイル建築」と呼ばれていて、震度７クラスの地震にも耐えられるということだ。
（テレビ大分）
