統一地方選挙は18日、後半戦の町村長選などが告示された。選挙の投票日には、最初に投票所を訪れた有権者に投票箱が空であることを確認してもらう作業があるが、今SNSを中心に、これに情熱を燃やす「ゼロ票確認ガチ勢」という言葉が話題になっている。

「選挙啓発に」と撮影許可する選管も

東海3県で18日、9つの町村長選と24の町村議選が告示された「統一地方選挙」。今SNSで話題になっているのは「投票箱」だ。

4月9日、統一地方選前半戦の投票日。午前7時前、名古屋市東区の投票所を訪れると、投票開始を今か今かと待ち構える人の姿があった。

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先頭に並んでいた男性:
いつも来るんです。一番はうれしいわね

目当ては「ゼロ票確認」だ。

最初に投票所を訪れた有権者に、投票箱に何も入っていないか確認してもらうという公職選挙法で定められた作業だが、今このゼロ票確認に情熱を燃やす人たちの熱い投稿がSNSで話題になっている。

<Twitterより>
「1番乗り成功!」
「【ゼロ票確認ガチ勢あるある】選管より到着が早いので門が閉まっている」
「投票終わったよ〜。先頭の景色はぜってぇ譲りませぬ」

最初に投票所を訪れた人だけの特権であるゼロ票確認達成の喜びを、空の投票箱などの写真と合わせてSNSに投稿する人が続出。

ゼロ票確認を目指し、早朝から「ガチ」で投票所に向かう人を表す「ゼロ票確認ガチ勢」というハッシュタグまで登場し、投票日の当日には…。

リポート:
現在、投票が始まって1時間ほど経ちました。ツイッターのトレンドを見てみますと、第2位に「#零票確認ガチ勢」という言葉がランクインしています

これまで秩序保持の観点から、禁止されていることが多かった投票所内での撮影行為だが、名古屋市選挙管理委員会にも数年前から「なぜ撮影できないんだ」といった問い合わせが殺到。2022年7月の参院選以降、撮影を許可するようになったという。

名古屋市選管の担当者:
投票所の職員が6時半くらいに設営に行くんですけど、もういるというのは聞いたことがあります。現代のSNS社会の選挙の形としては一つの在り方だと思っていますので、選挙啓発につながっているんじゃないかなと感じているところでございます

名古屋のゼロ票確認ガチ勢に聞いた。

南山大学4年の立木大貴さん:
(前日は)徹夜します、起きられないので。いつもの写真が撮れたなというか、今日も一番になれたぞというか、一番をとることに対する優越感はありました

選挙権を得た2020年から、2023年の統一地方選も含め、ほぼ全ての選挙でゼロ票確認を達成している南山大4年の立木大貴さん。

ゼロ票確認の盛り上がりを通じ、若者が政治に関心を持つきっかけになれればと話す。

南山大学4年の立木大貴さん:
「ゼロ票確認ガチ勢」というワードが(話題に)あがって、少しでも「選挙って面白いんだな」とか「投票に行ってみようかな」という気持ちになれば、一ガチ勢としてもうれしく思いますね。政治って堅いものじゃなくて、気軽に参加できるようなものなんだよと、そういう気持ちに若者がなってくれればいいのかなと思います

(東海テレビ)

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