3月31日に告示された今回の統一地方選でも、無投票当選が目立った。4回連続で無投票当選を決めた、愛知県議選の候補者の“選挙戦”を取材した。

県議選で定数1の選挙区から出馬し4回目の無投票当選

愛知県議選に定数1の丹羽郡選挙区から立候補した自民党の現職・鈴木喜博さん(66)は、31日に当選を決めた1人だ。

鈴木喜博氏:
もっともっとこの丹羽郡が素晴らしい街になるように、一生懸命頑張ってまいります

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午前10時、愛知県大口町の事務所で出陣式を開くと、早速街宣車に乗り込んだ。選挙区内を隈なく回るのかと思いきや、すぐに事務所に戻り休憩をとった。

鈴木喜博氏:
4回目の無投票という形になってしまうのかもしれないんですね、今の状況。「鈴木、一生懸命頑張っとるな」と。だからそこに付け入る隙がないというふうに我々はやってきたし

5回目の当選を目指した鈴木さんは、無投票になるのは、議員としてきちんと活動してきた証だとの自負がある。

県議選では初めて立候補した選挙を除いて、これまで3回続けて無投票当選を果たしてきた。

選挙戦がないことについて、本音を聞いた。

鈴木喜博氏:
無投票というのは寂しい。「今度当選したらやってくれよ」って、そういう話がいろいろ個人演説会をやっていく度に皆さんから言っていただけるので。無投票になると、個人演説会ができなくなっちゃうものですからね

持病があるため引退も考えたが、議員のなり手が見当たらず、続投を決めたという。

鈴木喜博氏:
(若い世代が)興味持ってやってくれると一番いいんだけどね。なかなかこういう田舎だと難しいね

県政に送り込む地域の代表を事実上選べない状況について、有権者は…。

60代男性:
盛り上がるという点では、ちょっと物足りないところもあるのかもしれない

70代男性:
若手を育成していただくということも、鈴木候補にはお願いしたい

事務所でひたすら立候補の受け付けが締め切られるのを待つ、鈴木さんの選挙。

午後5時、今回も無投票で当選を決め、支援者らと喜びを分かち合った。鈴木さんは今後、有権者の声を聞き、自らの考えを伝える機会をこれまで以上に設けたいとしている。

このほかにも、東海3県では無投票当選が決まった選挙区が相次いだ。

愛知県議選は、55選挙区のうち24の選挙区で無投票となった。定数102人のうち、3割強に当たる35人が当選を決めている。4年前の前回(2019年)は26選挙区41人で、無投票の割合は少し減った。

岐阜県議選は、26選挙区のうち17の選挙区で無投票となった。定数46人のうち、4割強の19人の当選が決まった。前回は16選挙区の22人で、無投票の選挙区は1つ増えたものの、人数は3人減った。

三重県議選は、15選挙区のうち7つの選挙区で無投票となった。定数48人のうち、約3割の14人が当選を決めている。4年前の前回は17選挙区のうちの5選挙区、51人のうち13人で無投票の割合はいずれも高まった。

3県の合計では96選挙区中、半数の48の選挙区が無投票で、定数196のうち約3分の1の68人が当選を決めた。

名古屋市議選は今回無投票はなく、16の選挙区全てで選挙戦となった。

(東海テレビ)

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