石油大手・出光興産の子会社が管理する「出光丸」が25日、日本の原油タンカーとして初めて、事実上の封鎖が続くホルムズ海峡を通過して日本に到着しました。しかし、依然として39隻の日本関係の船が足止めされていて、今後の影響が注目されます。
■国内消費量の0.6日分積む「出光丸」ついに到着
アメリカのイラン攻撃に端を発した中東情勢の緊迫化で、世界の原油輸送の大動脈・ホルムズ海峡はおよそ3カ月、事実上の封鎖が続いています。
出光丸も、サウジアラビアで石油を積んだ後にペルシャ湾で足止めされていましたが、4月28日、日本に向かうタンカーとしては初めてホルムズ海峡を通過。インド洋や南シナ海を抜けて、目的地の名古屋港へ向かっていました。

そして、ホルムズ海峡通過から1カ月ほどが経った25日朝、出光丸は伊勢湾に入ると、午前11時ごろ、名古屋港の沖にある原油受け入れ施設「伊勢湾シーバース」に到着しました。
乗っていた日本人船員3人の健康状態に問題はないということです。会社側は、イラン側への通航料は支払っていないとしています。
タンカーには、日本の原油消費量の0.6日分にあたる約200万バレルが積まれていて、2日ほどかけて海底のパイプラインから知多市にある製油所へと送られます。

一方で、アメリカとイランの戦闘終結に向けた協議は、トランプ大統領が合意を急がないよう指示するなど、先行きは不透明なままです。
ペルシャ湾には、ホルムズ海峡を通過できずにとどまっている日本関係の船が現在も39隻あり、安全に通過できる目途は未だ立っていません。
■巨大な海上基地「伊勢湾シーバース」とは
出光丸は陸から離れた沖合にいます。ここにあるのが「伊勢湾シーバース」という施設です。
「伊勢湾シーバース」は、船を横付けし乗り降りなどを行う施設です。縦500m・横80mにも広がる巨大な海上基地で、全長が東京タワー(333m)とほぼ同じサイズの出光丸も係留できます。

タンカーに積まれた原油は、基地からのびたパイプを合体させて回収されます。原油が通る直径1.3mの巨大パイプは、長さ9.3kmの海底パイプラインによって陸のタンクまでつながっています。

原油を積む大型タンカーは、水深が浅い場所には近づけないことや、万が一火災など事故が起きた時に周りへの影響を最小限にするために、海上で作業しているということです。
作業は、オイルフェンスを張ったり消防船が警戒したりしながら行われ、タンクに送られた原油は蒸留施設で加熱処理され、ナフサ・ガソリン・軽油などの製品になります。
