食品トレーの裏に「エフピコ」という文字をよく見かけるが、これは広島県福山市にある食品トレーの会社の名前。中四国地方ではマツダに次ぎ、4年連続で就職人気が2位の企業だ。就活生に人気の理由を取材した。

テレビCMもしないBtoB企業だが就活生に人気

食品トレーの製造・販売で国内市場の3割を占める福山市のエフピコ。

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企業間取引のいわゆるBtoBの企業でありながら、マイナビの調査で4年連続で中四国地方の「働きたい企業」2位。

調査は学生に働きたい企業名5社を記入してもらう方式で行われ、今年は1位のマツダとわずか6票差だった。

五十川裕明記者:
エフピコの福山本社にやってきました。1階のエントランスは白を基調とした高級感のある作りになっています。この食品トレーですが、エフピコが作っているのは裏の部分、よく見てみないと分かりません。テレビCMもしていないそうなんですが、どうして学生に高い人気があるのでしょうか

先週、入社式したばかりで、現在研修中の新入社員になぜエフピコを選んだのか聞いた。
(福岡県出身)新入社員 岩永大輝さん:
友人とインターンシップに参加して、現場とか顧客のことを大事にするといったところが1番の決め手になりました

(兵庫県出身)新入社員 川 明日香さん:
学内のインターンシップの募集にエフピコさんがいて、そこでテレビ番組の特集を見ていて知っていたので、ちょっと行ってみようかなということで
Q:入社決まったときはどうでしたか
うれしかったです。第一志望だったので

(岡山県出身)新入社員 安福朔哉さん:
色々なトレーを設計しているということで、自分もそのような企業に入って、学んだことを生かしていけたらいいなということで

新入社員31人のうち約3分の2が広島県以外の出身者。
インターンシップやSNSなどを使って、学生自らが積極的に企業の理念や風土を調べたようだ

一方、エフピコの採用担当者は、ランキングによって就活生が増えるなどの変化はないものの、生活を支える「縁の下の力持ち」的な存在が学生に評価されたのではという。

エフピコ・人材開発課 下宮敏仁さん:
学生にまず驚いていただけますし、いい会社と出会ったなという風に思っていただけているのかなと感じています

トレーの回収、リサイクルは30年前から

また、30年前から続けてきた使用済みのトレー容器をリサイクルし、再びトレー容器にする取り組みやプラスチック量を減らしたトレーの開発など脱炭素社会に挑む姿勢が注目されたのではという。

エフピコ 下宮さん:
今、学生さんも注目されているSDGsについて、そういった言葉が世に生まれる前からしっかりと手がけているんだなとか、色んな角度から評価されているんだなと

ちなみに3位に入った愛媛県の福助工業もエフピコと同じく食品トレーなどを作る包装資材メーカー。BtoBの企業が脚光を浴びている。

調査をしたマイナビは生活に身近な「食」の分野と企業の「安定性」が学生のトレンドになっていると分析する。

マイナビ・広島支社 松本威生支社長:
学生の中で、生活に必要不可欠な事業を展開しているところとか、食品に関連するキーワードが非常に注目度が高くなっていて、マツダさんのように常に上位にいらっしゃる企業もありますが、状況の変化とか、注目されてる業界の変化によって、ランキングはやはり移り変わっていく

情報社会で学生が企業を知る手段が増えてきた分、知名度だけではなく、企業の社会課題の解決やSDGsへの取り組みへの姿勢が問われてきているようだ。

(テレビ新広島)

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