着なくなった服を互いにシェアする「服の交換会」が広島県内で初めて開催された。これは兵庫県のアパレルメーカーが全国で展開する企画で、今回が19回目。広島では1日の入場者数が最高を記録する反響を呼んだ。

持ってきた服と同数の服を持ち帰る

4月8日・9日の土日に、広島市西区の商業施設「レクト」で開催されたのは「0円服の交換会」。

広島市西区の商業施設「レクト」
広島市西区の商業施設「レクト」
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アパレルメーカー ワンピース・石田晴也 取締役:
自分の服を1点持ち込むと、他の服と1点交換できる仕組みになっています

持ち込んだ服を指定のハンガーにかけ、自分でラックに並べる。そして、持ち帰りたい服を選んで交換する。交換するための手続きは不要。

「服の交換会」の会場
「服の交換会」の会場

洗濯済みであること、ダメージの大きい服や使用した下着や水着は持ち込めないなどの規定はあるが、自分が持ち込んだ服と同数の服を持ち帰ることができる。服以外に、かばんや服飾雑貨も対象になる。

服の廃棄を減らすSDGs

このユニークな取り組みは兵庫県のアパレルメーカーが全国で展開していて、今回が19回目。広島県内では初開催だ。

来場者:
今日は12点持ってきました。捨てるなら誰かに着てほしいというのはあります。誰かに着てもらえれば、すごくうれしいので

来場者:
SDGsというか、自分が着られなくても他の人に着てもらえるというのはすごくいいと思います

国民生活センターによると、国内の服の廃棄量は推計で、2020年1年間で50万トンを超えた。そのうちの9割以上が「埋め立て」もしくは「焼却処分」されている。環境省のデータでは、服を1年長く着れば国内で約4万トンの廃棄を削減できるとしている。

アパレルメーカー ワンピース・石田晴也 取締役:
シェアする文化を作っていきたいです。眠っている洋服を持って来てもらって循環することで、みんながクローゼットをシェアしているような

反応上々「どんどんやってほしい」

県内初となる「0円服の交換会」に、初日は650人が来場。1日の入場者数の最高を記録するなどイベントには多くの人が参加した。

来場者:
上の子が伸び盛りで、1年に10センチくらい身長が伸びると毎年服を買い足さなければならないので、こういうイベントがあると助かります

来場者:
今後もどんどんやってほしいと思います

アパレルメーカー ワンピース・石田晴也 取締役:
将来は、全国100カ所に服を交換できる場所を常設で作っていきたいと思っています。そうするとより地域に根差した形で広がっていくと思うので

来場者の反応に、企画した商業施設でも手応えを感じている。

レクト・吉原紀 支配人:
初回ですが、これだけ多くの人が同じ価値観を持っていたというのは、潜在需要はものすごくあったと思います。次は夏ごろにグレードアップした形で開催したいと思っています

着なくなった服をシェアして、廃棄を減らす。誰もが手軽にできる“身近なSDGs”と言えそうだ。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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