障がい者や高齢者の支援事業を行う、公益財団法人日本ケアフィット共育機構に勤める佐藤雄一郎さん。

「“心のバリアフリー”だったり“共生社会”といった言葉だけが一人歩きしてしまっていて、何で車いすユーザーが大変なのかがあまり考えられていないまま、『車いすユーザーの大変さを理解しよう』と言われてしまっていると感じます」

当事者の立場から困難を理解

こう話す佐藤さんは2020年、障害のある人がなぜ大変なのかを体験できるユニークなイベントを開発した。

この記事の画像(5枚)

参加者が訪れたのは、車いすユーザーが店員を務める架空の店「バリアフルレストラン」。

バリアフリーではなく“バリア”だらけのレストランという意味のこの店は、健常者が「二足歩行障がい者」という“少数派”として扱われる立場逆転の世界だ。

天井は車いすの人が移動するのに十分な高さの160センチで、二足歩行の人は中腰で移動する。

店内には“助成金で買った”という椅子が一脚あるのみで、車いすスペースならぬ、「椅子スペース」がある。

店内で流されていたニュース番組では、「建物内に最低1つの椅子の設置を義務付けるバリアフリー法の制定案」などについて取り上げている。

参加した女性は、「逆の立場だと『こういうことか』とすごく思いました」と話す。

バリアを作っているのは社会だと気付いてほしい。

佐藤さんは、「大変にさせているのは車いすを使わない、立って歩くことが当たり前になっている社会です。いろいろな違いがあっても、それが不利になったり、困難の原因にならないような社会を目指していきたいと思います」と語った。

公益財団法人 日本ケアフィット共育機構   
https://www.carefit.org/

「フューチャーランナーズ~17の未来~」
フジテレビ 毎週水曜日22:54~23:00放送中(関東ローカル・関西テレビ)
BSフジ 毎週土曜日 21:55~22:00放送中
■動画はこちらから
https://www.fujitv.co.jp/futurerunners/archive_235.html
■過去の動画一覧はこちら
https://www.fujitv.co.jp/futurerunners/archive.html

SDGs

SDGsとは、2015年9月の国連サミットで、全会一致で採択された「持続可能な開発目標」。https://www.fujitv.co.jp/futurerunners/sdgs.html