全国各地で入学式が行われる時期。小学校入学を迎えた子供たちは、みんな少し緊張した表情をしている。子供たちは期待と不安を抱えて新学期が始まるが、実は保護者の方々も、とある不安を抱えています。それが「小1の壁」だ。

3人の子供を育てる夫婦 長男が小学1年生になり「壁」に直面

大阪府門真市に住む野本健太さん(32)と睦さん(32)夫妻。二人とも働きながら、3人の子供を育てている。

この記事の画像(8枚)

毎朝6時に起きて、夫婦二人で子供たちの朝の準備だ。

野本健太さん:
時間をうまくやりくりしないと、朝の準備も心もとない

睦さんは調理師として働いている。4月から育休が明け、職場復帰が決まっているが、ある不安が…。

これまで長男の蓮太郎くんが通っていた保育園では、朝7時半から預かってくれる延長保育があった。

しかし4月からは小学1年生になり、登校時間に合わせて朝8時すぎまで、夫婦どちらかが家で一緒にいないといけない。
育休前の職場の始業時間には間に合わなくなった。

野本睦さん:
朝もできれば預かってほしいな。早く行けたらいいなあっていう気持ちはありますね。あと30分だけでも早かったら、だいぶ働きやすいなって

共働き家庭などが保育園に預けていた時はできていた“仕事と子育ての両立”。それが小学校に入学するタイミングで難しくなることを「小1の壁」と呼ぶ。

国もこのことを重く受け止めている。3月13日の国会では、岸田首相が「小1の壁」に言及した。

岸田文雄首相:
共働き家庭等が直面するいわゆる“小1の壁”。これを打破することが喫緊の課題であると

睦さんは職場に相談して、小学校に行く蓮太郎くんを見送ってからでも出勤が間に合う場所に、勤務地を変えてもらった。放課後は学童保育も利用する。

野本睦さん:
学費とかも、もっともっと掛かってくるし、働けるなら働きたい。だから働きたいと思っている人にも、もうちょっと働きやすい時間というか。できたらいいなと

アンケートには「入学時に前の職場を諦めた」など切実な声

番組では大阪市内の小学生の保護者にアンケートを実施。寄せられた声は…

「一番上の子供の入学時に転職し、前の職場を諦めた」
「出勤ギリギリになるので、職場にも迷惑を掛けることが増えました」

共働き家庭の増加などを背景に、待ったなしの課題となった「小1の壁」。綱渡りの日々を過ごす保護者にとって、切実な問題となっている。

(関西テレビ「newsランナー」2023年4月5日放送)

関西テレビ
関西テレビ

滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・徳島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。