岩手・北上市の電気設備会社で2023年に入ってから電線などの資材が盗まれる被害が相次いでいたことが、岩手めんこいテレビの取材でわかった。
この会社の社長は資材の盗難について「業界全体の死活問題だ」と危機感を募らせている。

カメラに映る資材泥棒の姿

1月16日、鉄骨をトラックの荷台に積む様子を捉えた防犯カメラ映像
1月16日、鉄骨をトラックの荷台に積む様子を捉えた防犯カメラ映像
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2023年1月16日午後7時半ごろ、北上市の電気設備会社に現れた不審な男。太陽光発電装置の建設に使う鉄骨を、何往復もしながらトラックの荷台に積み込んでいる。

廃品が入った箱をあさる様子を捉えた防犯カメラ
廃品が入った箱をあさる様子を捉えた防犯カメラ

また、同じ会社の敷地にある別の防犯カメラにも、廃品が入る箱をあさっている様子が映っていた。いずれも2023年1月に捉えられた映像だ。

鉄骨が保管されていた場所
鉄骨が保管されていた場所

内記和人記者:
現場は国道沿いにある電気設備の会社です。こちらに保管されていた建設資材が盗まれたということです

犯人は顔見知りの同業者

2月10日、北上市のゼスト電工では、リサイクル会社に売却するため保管していた廃棄電線が大量に無くなっていることが判明した。

ゼスト電工で保管されている廃棄電線
ゼスト電工で保管されている廃棄電線

不審に思った及川浩一社長が防犯カメラの映像をさかのぼって確認したところ、資材の盗難が発覚。犯行に及ぶ人物を見て及川社長はがくぜんとしたという。

ゼスト電工・及川浩一社長:
見たことがある人だったので、同じような仕事をしている人なのでショックです

2月7日には新品の電線も盗んでいた
2月7日には新品の電線も盗んでいた

男は顔見知りの同業者だった。この男は2月7日にも現れ、廃棄された電線とともに、住宅設備に使われる新品の電線を盗んでいたことも、その後、判明した。

被害総額は約300万円、盗難の背景について及川社長は…。

ゼスト電工・及川浩一社長:
鋼材も(価格が)高騰しているので、(リサイクル店に)この量を持っていくと結構な金額になる

高値で取引される鋼材を転売目的で盗んでいるとみている。

警察には2月に被害届を出したが、犯人はまだ捕まっていない。この業界では盗難の被害が多く、また盗難されたものが戻らないことも多いとして、及川社長は危機感を募らせている。

「業界で窃盗が多く死活問題」と話す及川社長
「業界で窃盗が多く死活問題」と話す及川社長

ゼスト電工・及川浩一社長:
私たちの会社以外(業界として)も、こういうことが多いので、業界としても死活問題だと思う

ゼスト電工では3月下旬に金ケ崎町に社屋を移転したが、盗難対策として、今後は全ての資材を倉庫の中に保管するという。

(岩手めんこいテレビ)

岩手めんこいテレビ
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