3月22日、野球のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で、日本がアメリカに勝利し優勝した。その侍ジャパンが、全員揃って優勝記者会見を行った。
みんな“いけるぞ”という表情だった
会場では、爆笑あり、そして3年後への思いも語った会見だった。
ーー重圧と戦ってきたこの2カ月間振り返るとどうですか?
栗山英樹監督(61):
そう言っていただけるのはうれしいですけど、試合の時にも監督が一番何もしない立場なので、本当にコーチの皆さんやスタッフ、そして選手が命懸けで野球をやってくれて、こういう結果になったんで、ただただうれしく思っています。
ーーこのメンバーで戦った期間は、大谷選手の野球人生にとってどのようなものになった?
大谷翔平選手(28):
小さい頃からずっと夢見てきましたし、この大会で優勝するっていうのを目標の1つにしてきたので、本当に素晴らしい先輩と素晴らしい後輩と本当にいいチームメイトたちと野球ができたのが、自分にとって素晴らしい経験になっています。
今後の野球人生においても素晴らしい経験になったんじゃないかなと思います。
今日も全員でピッチャーたちがつないできて、最後1点差で緊張しましたけど、みんながつないできてくれたゲームを最後何とか締めることができて良かったなって安心しました。
ーー最後、選手全員が集まってきた時、どういう気持ちになりましたか?
大谷翔平選手:
先頭バッター出して、ゲッツーを取った時点でベンチの方を見た時に、みんな「いけるぞっ」という表情をしていたので、かなり勇気付けられましたし、あと1人トラウト選手を抑えることにフォーカスして、自分自身に「いける」という自信も出てきたので、あの時、ベンチを見た時のみんなの表情に助けられたかなと思います。
ーー優勝するためには、どのようなことが一番大事だと思って取り組んできましたか?
ダルビッシュ有選手(36):
優勝がどうとかというよりは、みんなが明るく笑顔で野球をプレーして欲しいなっていう風に、最年長としてはずっと思っていたので、そこだけ僕はすごく大事にしていました。
みんな友達のようになりましたし、実力としても本当に素晴らしい選手ばかりで、色々意見交換する中で自分もすごく成長できましたし、同時に課題もすごく見つかったので、本当に感謝しています。
ーー活躍できた感触はどうですか?
吉田正尚選手(29):
世界一を取ることができましたので、チームが最高の結果で終えられたってことにほっとしていますし、すごくうれしい気持ちです。
ーー活躍が選手たちや子どもたちに大きな影響を与えたと思うけど、どう思う?
吉田正尚選手:
僕自身もたくさんの先輩方から勇気や感動をもらったので、どう皆さんに伝わったか分かりませんけれど、そういう子どもたちが増えて、またこういう舞台に立ってもらえたらうれしいなと思います。
ーー準決勝で吉田選手が「次は頼むぞ」と指をさしていました。準決勝での1打、その時の気持ちをもう一度改めて教えてください
村上宗隆選手(23):
指をさされたのは、見てなかったんですけど。(会場笑い)
あの時、城石コーチから栗山監督の言葉を伝えていただいて、すごくそこで腹をくくって打席に立てましたし、本当にチームの皆さんが、僕…打てない人をカバーしてくれて、何とかあの場面で僕につないでくれたので、チームの皆さんに感謝しています。
ーー決勝でも勇気付ける1発、師匠の岡本選手とのアベックホームランだったけど、どう思いますか?
村上宗隆選手:
展開的にあそこですぐ点を取り返したっていうのは、今日の試合ですごく大きなところになったと思いますし、ピッチャーの方々もすごく頑張って投げてくれたので、本当はもうちょっと点を取りたかったんですけど、なかなか相手ピッチャーを攻略することができなかったので、本当にピッチャーに助けられました。
あの空気の中で野球ができてうれしかった
会見では、会場から爆笑が起こる瞬間もあった。
杉谷拳士氏(元日本ハム):
お疲れ様です。無職の杉谷拳士です。皆様の感動の試合のあまり、会見場に紛れ込んでしまいました。申し訳ございません。
私、常に侍ジャパンの側で一緒に戦っていたお気持ちです。ただ、まだ一言も大谷選手としゃべれていません。果たして私のこと、覚えていらっしゃいますでしょうか?
大谷翔平選手:
まぁ…なんとなくは。はい
(会場爆笑)
杉谷拳士氏:
これを機に覚えていただければありがたいです。
ーー2009年、10年前に優勝してるのはダルビッシュ選手だけですが、当時と14年後現在の野球では、何か変化を感じますか?
ダルビッシュ有選手:
当時も素晴らしいチームだったと思いますが、今のチームは、フィールド外のところですごく笑顔があふれていますし、みんな本当に仲良くてチームとしてすごく一致団結していると感じます。
ーーこの日本代表チームでメジャーリーグで戦ったらどの程度戦えると思いますか?
ダルビッシュ有選手:
それはシーズンでわからないですけど、今日アメリカのベストメンバーに勝ったので、優勝できるんじゃないかなと思います。
ーー準決勝の先発マウンドで世界舞台に初めて立ちましたが、あの時の気持ちを教えてください
佐々木朗希選手(21):
チームとして負けられない戦いだったので、とにかく自分の出せるものを出そうと思ってマウンドに立ちました。最初はいい形入れたんですけど、最後は点を取られてしまって、そこでメジャーリーグの力を感じました。
ーーマウンドに立った気持ち、メジャーリーガーに対しての感触はどうですか?
山本由伸選手(24):
あの空気の中で、雰囲気の中で野球できたのがすごくうれしかったのと、相手打線も素晴らしい選手ばかりで対戦できたので、すごく経験できて良かったです。
ーー侍ジャパンの一員として優勝しましたが、喜びの声を聞かせてください
ラーズ・ヌートバー選手(25):
最高、日本大好き。
記者会見終了後、会見会場では記者らから大きな拍手が送られた。
(「イット!」3月22日放送より)