アメリカによるイランへの軍事作戦の実行により、ホルムズ海峡を経由するエネルギー供給への懸念が高まっている。納豆製造では容器やフィルムの原料となる石油に加え、大豆を煮るボイラーの灯油代上昇、配送費用も上がるという。また、農家にとっても冬場のハウス栽培や天然ガスを原料とする肥料価格への影響も懸念される。

中東情勢が日本の食卓に影響の恐れ

日々の食事にも、そして腸活や美肌ケアなどでも注目されるニッポンの食文化に欠かせない「納豆」。

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そんな納豆にも、世界情勢の変化が大きな影響を及ぼすかもしれない。

核開発の放棄に同意しないイランに対し、アメリカが「壮絶な怒り」と名付けた軍事作戦。

イラン赤新月社によると、イラン国内の死者は555人。一方、米中央軍発表によるとアメリカ軍の兵士もイラン側の報復で既に6人が死亡している。

報復の応酬で中東情勢が混迷する中、トランプ大統領はCNNテレビのインタビューでビッグウェーブ=大きな波に例え、さらなるイランへの軍事作戦を予告した。

トランプ大統領(CNNのインタビューに対し):
我々はまだ本格的な攻撃を開始していない。大きな波はまだ来ていない。それはまもなく来る。

そしてアメリカ政府は新たに自国民に対し、15の中東諸国や地域から直ちに退避するよう呼びかけた。

こうした中、近く訪米する予定の高市首相は、3日の衆院予算委で「トランプ大統領に対しても今回のイランの問題についても、率直に話をしてくる」と述べた。

天然資源の集積地である中東、その全域に戦禍は拡大しつつある。

日本は原油の多くをUAE=アラブ首長国連邦やサウジアラビアなどから、また、LNG=液化天然ガスの一部もカタールなどから輸入し、いずれもホルムズ海峡を経由して運ばれている。

「値上げも考えざるを得ない」

中東情勢が悪化し、原油などの価格が高騰すれば日本の食卓への影響も懸念されている。
そのひとつが納豆だ。

イートインスペースで納豆の食べ放題を楽しむことができる東京・世田谷区の納豆専門店「納豆工房せんだい屋」を取材。
日本古来の発酵食品である納豆がなぜ原油価格の影響を受けるのか、店の代表に話を聞いた。

せんだい・伊藤英文社長:
納豆の容器や中に使っている被膜(フィルム)、パッケージのフィルムも全て石油原料。

原油価格の影響は、それだけではない。

せんだい・伊藤英文社長:
うちでは灯油を使ってボイラーをたいて、蒸気を使って大豆を煮ている。そういう意味では製造のコストも上がるし、さらには配送費用も上がるということで、トリプルパンチ。

今後の状況次第では、店頭価格の値上げも考えざるをえないという。

さらに、去年、青井キャスターが取材に訪れた農家の加瀬さんも、懸念の声を上げていた。今の時期は、主にキュウリを栽培しているという。

加瀬園芸・加瀬好基さん:
(農業用)ハウスの中で栽培しているので、キュウリは冬場の温度管理が大事。原油が上がってしまうとすごく痛手だと思う。

懸念は他にもある。それは肥料だ。

作物の生育に必要な「窒素肥料」は、天然ガスをもとに作られているという。

加瀬園芸・加瀬好基さん:
ホルムズ海峡を通ってくる肥料もあるので、肥料が値上がりしてしまうと、それこそ死活問題になってしまう。長期化ということにならなければいいなと願っている。
(「イット!」3月3日放送より)

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