農業の担い手不足が進む中、意欲的に活動する若手農家が表彰を受けた。山形県の「農林水産業若者賞」の受賞者の1人は「自分が注目されることで、新たに農業に就く人が出てきてほしい」と話している。

「農林水産業若者賞」に若手農家3人が受賞

「農林水産業若者賞」は、農林水産分野の意欲ある若手従事者をたたえようと、県が4つの地域ごとに毎年、表彰しているもの。

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2022年度、置賜地域で受賞したのは、神奈川・横浜市から移住し、山形・米沢市に農園を構えた高橋俊之(39)さん、県のサクランボ品評会で最優秀に輝いた南陽市の遠藤稔さん(40)、大豆やリンゴを生産し商品開発に取り組む高畠町の菊地夏未さん(33)の3人で、3月8日、賞状が手渡された。(※高橋俊之さんの「高」ははしご高)

農業の未来を見据え農家に

受賞者の1人の高橋さんは、就農からまもなく4年になる。以前は消防士だったが、南陽市出身で実家が農家の妻と結婚したことを機に、農家の高齢化や後継者不足をより身近に感じ、自分がその力になろうと家族とともに移住した。

高​橋俊之さん:
「自分の会社をつくる」という夢と農業の危機・現状がつながって「農業をしたい」と思った

2020年に設立した農園「成」では、アスパラやサトイモなどを栽培している。

年間を通じて収入を安定させることが課題で、この冬は、秋に土から掘り出してハウスで保管しているサトイモを少しずつ出荷して、収入を得ている。SNSやウェブサイトを通じた農園のPRなども大切な仕事と考え、将来に向けて種をまいている。

高​橋俊之さん:
私が注目されることによって、また新たに日本の中で農業がしたいと思う人が出てきてくれれば私も幸せ。(受賞は)大変ありがたいこと

県内で農業に就く人の約7割が65歳以上。意欲ある若手従事者は、農業の未来を見据え決意を新たにしていた。

(さくらんぼテレビ)

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