シーズンオフ、誰もが驚く超大型補強を行った福岡ソフトバンクホークス。大物選手の入団会見で、いつも選手の隣に座っているのが、三笠杉彦ゼネラルマネジャー(49)。キャンプ中も補強組の離脱もなく、手応えを感じているようだ。

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シーズンオフの大型補強 その意図は…

記者:
このオフの大型補強は、球界でまさに主役って言われるような動きだと思いますが、結果としてこの成果は狙い通りだった?

三笠杉彦ゼネラルマネジャー:
そうですね。ホークスを選んでくれる選手がたくさんいたことも、とてもうれしいですし、是が非でもリーグ優勝と日本一を奪還するという意味では、とてもチームの助けになることが、少しはできたんじゃないかなと思っています

キャンプ地の宮崎でインタビュー取材に応じた三笠杉彦ゼネラルマネジャー。東京大学ラグビー部出身で、その東大ラグビー部の監督も務めた経験もある、異色の経歴の持ち主歴だ。2004年に日本テレコムからソフトバンクに転籍。2008年からホークスの編成部に加わり、2019年からGMに就任した。

記者:
一部のファンからは、お金の使い方に対する批判的な声だったり、ちょっと言い方がアレですけど「金満」という声も聞かれたりします。これはそれぞれの捉え方だと思いますが、その辺りはどう考えていますか?

三笠杉彦ゼネラルマネジャー:
他球団のファンであればね、そう思われるという気持ちというのは、理解ができるところがあります

“大型補強”は方針転換?目指すものは…

総額65億円とも言われる大型補強を行ったホークス。世代交代から方針転換なのか。チーム編成を行う三笠GMの考えは?

三笠杉彦ゼネラルマネジャー:
我々、常々ですね、「目指せ世界一」というスローガンの下、2023年も優勝するチームを目指すし、さらに10年、ジャイアンツのV9を超えて、10年続けて日本一になるようなチームも同時に目指していく。補強で入ってくれた選手は、若い選手に勝利という経験を与えてくれるというような意味合いにおいて、育成面でも大きなプラスがあると思います

王貞治監督(当時):
世界一になる。世界一強いチームになるのが、(孫オーナーの)夢なんだと伺っております

「目指せ世界一」。2004年にソフトバンクホークスとなって以来、掲げ続けている不変のスローガン。日本一ではなく世界一。今シーズンからは、4軍制をプロ野球で初めて導入する。

記者:
2011年にスタートした3軍制が、10年以上たって一定の成果が出ているという状況を踏まえてのものと受け止めてもいい?

三笠杉彦ゼネラルマネジャー:
そうですね。大きく2点があって、1点目は今言われたように、3軍制は本当に選手の頑張りで成功したというのもあります。2点目は、手前味噌ですけども、それを受けてほかの11球団も同じように育成選手をドラフトで指名して、3軍制まではいきませんけども、たくさんの育成選手を保有してということでですね

ホークスが3軍制を導入すると、読売ジャイアンツも2016年に3軍を編成。また、広島カープほか、数球団も3軍制を見据えたシステムを敷いている。

三笠杉彦ゼネラルマネジャー:
昨年、一昨年のドラフトは、ほとんど全ての球団が育成選手の獲得をしているというような現状もありますので。要するに、我々が成功してきたというようなこともありますし、11球団も追随をしてきたので、さらにもう1段行こうというようなことになった

4軍を設置し、アメリカのような育成システムを目指すホークス。大所帯になればなるほど難しくなってくることもある。
大型補強は若手の出場機会が減ることにもつながってしまうのだが、ホークスの2軍を率いる小久保裕紀監督は…。

小久保裕紀・2軍監督:
ぶっちゃけな話ですよ。支配下3枠しか空いてないわけですよね。そこを目指して多くの(50名以上の)育成選手が争うわけなので、3軍、4軍の選手たちが、自分の目標を見失わずにやれるかというのは、結構な問題だというふうに捉えているんですよね

三笠杉彦ゼネラルマネジャー:
球団側の工夫としては、まずはコーディネーターというような役職をつくりまして、コーディネーターは、チームの監督やコーチが今、具体的に日々何を教えているかなど、密に選手とコミュニケーションをとってチームの統一化を図る、というような役割です。投手コーディネーター、野手コーディネーターと1名置いています

国別対抗戦のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)には、ホークスからもこれまで多くの選手が代表入りし、2回の優勝にも貢献したが、球団としてホークスが掲げる「目指せ世界一」とは。

記者:
行き着く先は、球団スローガンにもある「目指せ世界一」の体現だというところにつながっていく?

三笠杉彦ゼネラルマネジャー:
2つありますので、今やっている4軍まで作って数チームを作るというのは、その世界を代表するチームになるというようなことを目指してやっていきたい、これが一つ。もう一つは、当然、我々だけの力でできることではありませんが、クラブ単位での世界一決定戦というようなものの実現が何とかできないか、というような話も合わせて研究をしていきたいなと思っています

2023年、まずは日本一奪還を目指す福岡ソフトバンクホークス。勝負のペナントレースが間もなく始まる。

(テレビ西日本)

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