いまや2兆円市場とも言われるネコの経済効果。福岡・糸島市では、観光大使を務めているネコが人気となっている。

超有名なネコ「もんた」とは?

短い足で、のっしのっしと貫禄たっぷりに歩くネコ。しかし、見た目に反してかわいらしい声で鳴く。

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糸島市で暮らす3歳の雄ネコ「もんた」は2022年10月、動物としては初めて糸島市の観光大使に任命された。

自由気ままに暮らしながら糸島の魅力をアピールするもんたなのだが、SNSの総フォロワー数33万人以上という超有名ネコなのだ。

ツイッターでは「もんたの日常っていうYouTuberさんがいるんだけど、その動画のもんたっていうネコちゃんがとてつもなくかわいい」、「糸島という知らなかった街がもんたのおかげで行きたい街になりました」などの声が…。

そこで!もんたを取材すべく、2月22日のネコの日に合わせて特別におうちを訪れた。

SNSがきっかけで…

もんたの飼い主は、糸島市内に住む男性。顔は出さないことを条件に、もんたとの出会いを聞かせてもらった。

飼い主の男性:
福岡市の譲渡会で出会いました。完全に一目ぼれですね。顔がほかの子と明らかに違う魅力は感じたんですね

2019年8月頃に生まれたもんた。母ネコとはぐれていたところを保護されて、譲渡会で出会った飼い主の元にやってきた。

体が丈夫ではなかったもんたは、生まれつき甲状腺のホルモン分泌機能が低く、腎臓にも異常があるために治療を続けながら暮らしている。

高島彩記者:
もんた!かわいい~ペロってした。あ、いっちゃった。自由ですね、かわいい~

何をするにも気だるそうな表情と、3歳半とは思えないほどの貫禄がネコ好きのハートに刺さり、SNSを始めて2年半ほどで、フォロワーの総数は延べ33万人を超えた。糸島市の観光大使として白羽の矢が立ったのもSNSがきっかけだった。

もんたツイート
「いずれ糸島観光大使になると思うので、その時はよろしくです」
「おかしい。1年以上待ってるけど糸島市から何の連絡もない」

飼い主が軽い冗談のつもりで「観光大使になる」と投稿したところ、何としばらくして本当に市の担当者から「ぜひお願いしたい」と就任依頼のメッセージが届いた。

飼い主の男性:
冗談半分だったので、まさかそうやってお声がけいただけるとはって思っていました

まさかの就任から約5カ月がたった。もんたの糸島観光大使としての仕事ぶりを聞いてみると…。

飼い主の男性:
ごはん食べたりとか庭散歩したりとか、すごく忙しそうにしていますね。糸島市の方からも言われたんですけど、特にどこかを紹介してほしいとか、糸島の魅力をとかって言うよりも、「もんたの、そのものを伝えてほしい」ということをおっしゃっていただいたんで

観光大使の仕事は、特別に何かをするという訳でもなく、ただただ糸島でのんびり気ままに暮らすこと。もんたの一番得意なことが、大いに人様の役に立っているようだ。

ネコの観光大使の就任効果は

ネコの観光大使の就任効果を確かめるために糸島市役所の担当課を訪ねた。

糸島市 ブランド政策課・土肥英雄課長:
自然を感じながら、ゆったりと暮らすというのが、まさに糸島生活の魅力であるという風にわれわれは考えていますので、幸せにこの糸島生活を送っていただきたいと。それが魅力の発信に繋がると思っています

もんたの悠々自適な毎日が、糸島暮らしの魅力そのもの。観光大使のもんたは、日々の暮らしぶりをSNSで発信しているほか、地域のマスコットにもなっている。

本人そっくりのぬいぐるみなど、もんたグッズは「ふるさと納税」の返礼品にもなっていて、税収アップにも貢献している。

糸島市 ブランド政策課・土肥英雄課長:
「就任おめでとう」、「応援しています」、「頑張ってください」というような、大変心温まるメッセージを数多く、みなさんからいただきました。大変、市のPRに大きく貢献していただいていると感じています

豊かな自然に囲まれて、のんびり気ままに暮らす観光大使のもんた。糸島市は、そんな「ネコの手」を大いに借りながら地域の魅力を発信している。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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