「仕事が忙しくて、子どもの夕飯を作る時間がない」とお困りの子育て中の人は少なくないだろう。

こうした困りごとを解決してくれるかもしれない、新たなサービスが登場した。
開発したのは、ハウス食品グループ本社。

「1歳半~6歳の子どもに特化し、栄養バランスに配慮した冷凍食品」を開発し、1月30日からECサイトで、サブスクリプション型での販売を開始した。

サービスの名前は「Kidslation」。

Kidslation(提供:ハウス食品グループ本社)
Kidslation(提供:ハウス食品グループ本社)
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メニューは「トマトの煮込みハンバーグ」や「さわらのクリーム煮」「辛くない麻婆豆腐」など12種類だ。

トマトの煮込みハンバーグ(提供:ハウス食品グループ本社)
トマトの煮込みハンバーグ(提供:ハウス食品グループ本社)

全てのメニューに野菜が5種類以上入っていて、子どもが食べやすい固さや大きさに加工されている。また、冷凍庫にかさばらず収納でき、レンジ調理ですぐに出せるので忙しいときの助けになり、サブスクなので定期的に届き、解約もいつでもできるという。

Kidslationの特徴(提供:ハウス食品グループ本社)
Kidslationの特徴(提供:ハウス食品グループ本社)

「初回限定モニター6食セット」は、6食分で税込価格1980円+送料880円。

2回目以降のデフォルト設定では、8食分を3週間ごとに届けてくれる。8食分の税込価格は4784円+送料880円だ。

初回限定モニター6食セット(提供:ハウス食品グループ本社)
初回限定モニター6食セット(提供:ハウス食品グループ本社)

そして、このサービスについては、このように書かれている。

多くのご家庭ではお子さまの食事について、手料理で準備をする手間や、大人向けの冷凍食品やお惣菜を与えていることへの罪悪感、保育園だとよく食べるのに家では食べてくれない、といった悩みなどを抱えています。
本事業では、このような子育て世帯の課題を解決します。

離乳食期(生後6カ月~1歳半)の赤ちゃん向けの市場には、時短につながる商品が多くあるというが、これまでは幼児向けの商品はほとんどないとしている。

では、「幼児向けに特化した冷凍食品」は、大人向けの冷凍食品やお惣菜を与えていることへの罪悪感をどのようにやわらげてくれるのか?

「Kidslation」の事業推進者・岸健人さんに話を聞いた。

「実際にそのような罪悪感を抱いていた」

――「1歳半~6歳の子どもに特化した冷凍食品」を開発した理由は?

「離乳食期(生後6か月~1歳半)」のお子さま向けの即食商品は多く存在するにもかかわらず、「幼児食期(1歳半~6歳)」には、そのような商品がほとんどありません。

多くのご家庭ではお子さまの食事について、毎日、手料理で準備をする手間や大人向けの冷凍食品やお惣菜を与えていることへの罪悪感などを抱えています。
このような子育て世帯の課題を解決するため、「冷凍幼児食」を開発しました。

私自身、4歳の息子を育てている父親です。
私の家庭は、夫婦共働きなのですが、保育園にお迎えに行ってからの夜のルーティンがかなりハードです。

保育園に迎えにいく、料理を作る、ご飯を食べさせる、お風呂に入れる、洗濯機を回して干すなど、夜のタスクは思った以上に多いものです。

そのような中、息子からは「折り紙しよう」「パズルやろう」など、遊びの誘いがありますが、「家事が終わってからね」と先送りにしてしまい、結局、就寝時間の間近となり、息子と遊んでコミュニケーションを取る時間を十分に確保できていません。

これは良くないと分かっていながらも、なかなか、現状を変えられない日々が続いています。
そのような日々を変えたいという一心で「Kidslation」を立ち上げました。

忙しい日には、チンしてすぐに食べられるものを活用したいけれど、心と体を形成するのに大切な幼児食期の息子には、栄養バランスにきちんと配慮した1品が欲しい。

そのような思いから、今回の冷凍幼児食を開発しました。
「手間は抜いても、手抜きにならない」という価値を、皆さまにお届けできたらと思っております。

骨取りさわらのクリーム煮(提供:ハウス食品グループ本社)
骨取りさわらのクリーム煮(提供:ハウス食品グループ本社)

――子どもに「大人向けの冷凍食品」を与えていることについて、罪悪感を覚えるという声は耳にしていた?

自然に声が届いてきたというよりも、実際にそのような罪悪感を抱いていた私が、子育て世帯の方々との対話を重ねる中で、能動的に確認してきたことです。
 

――罪悪感を覚える理由は?

大人向けの冷凍食品は、炭水化物や塩分が多く入っていたり、子どものために栄養バランスを考えている商品はほとんどないからではないでしょうか。
 

――このサービスは、その罪悪感をどのようにやわらげてくれる?

保育園の管理栄養士が監修し、子どもの成長に必要な栄養バランスに配慮して、作られています。

また、全ての商品に野菜を5種類以上、入れています。
多くの種類の野菜を食べるというニーズは、なかなか家では手間が掛かり難しいのですが、この商品で少しでも多くの種類の野菜を摂取していただけたらと思います。

こだわったのは「栄養価と子どもが食べてくれることのバランス」

――こだわったところは?

喫食者(子ども)と購入者(親)が異なる点に対応することです。

親は栄養価の高いものを食べさせたいと思いますが、子どもは食べなかったりします。
そのため、「栄養価への配慮と子どもが食べてくれることのバランス」を取ることが大切になります。

その観点から、保育園の給食は、非常に優れていると考えています。
保育園の給食は、栄養士が監修しているので、栄養バランスに配慮されていますし、かつ、現場で子どもが食べるメニューが繰り返し出され、生き残っていきます。

よって、「栄養価への配慮と子どもが食べてくれることのバランス」を取れるのではないかと考えています。

そのような観点から、「Kidslation」では、保育園の給食メニューをベースにし、かつ、保育園の管理栄養士に監修してもらいながら、こだわりを持って、丁寧に商品開発を行いました。

辛くない麻婆豆腐(提供:ハウス食品グループ本社)
辛くない麻婆豆腐(提供:ハウス食品グループ本社)

―――販売方法をサブスク型にした理由は?

都度の注文が不要となり、その観点でも時短になると考えたからです。

実際に、ネットスーパーにせよ、実店舗にせよ、買い物という行為には、結構な時間を要すると思います。
 

――売れ行きは?

販売促進の施策はこれから実施する予定ですが、メディアに取り上げていただいたおかげで、初動としては良い成果が出せていると思います。
 

――実際に購入した人の感想は?

以下のようなレビューが書き込まれています。

「試食しましたが、優しい味付けで、子どもに与えやすいと感じました。2歳6か月の子どもも喜んで完食しました。このような食品を開発されたことに感謝します」

「子どももたくさん食べてくれましたが、大人が食べても美味しかったです」
 

――このサービス、どのように利用してほしい?

仕事が遅くなってしまって、料理をする時間がない時や疲れて料理をしたくない時などに、手料理の代わりに、ご利用いただけるとうれしいです。

困ったときにすぐに使える、冷凍庫の中の“お守り惣菜”になりたいと考えています。

ふんわり卵の親子煮(提供:ハウス食品グループ本社)
ふんわり卵の親子煮(提供:ハウス食品グループ本社)

1歳半~6歳の子どもに特化し、栄養バランスに配慮した冷凍食品。
共働きの家庭が多くなる中、子どもの食事について抱いてしまう罪悪感を和らげるというこういった商品はニーズがあるのではないだろうか。

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プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。