「冬は安心」という思い込みは危険だ。北海道・函館市内の山林で2023年2月、作業中の男性2人がクマに襲われた。
冬眠しているはずのクマがなぜ現れるのか。「冬のクマ」の実態を取材した。

この時期になぜ?…「冬クマ」出没相次ぐ

雪道を歩く3頭のクマ。3頭のうち、2頭は体が小さく、生まれて間もない、子グマとみられる。
この親子グマが撮影されたのは2022年12月。札幌市内に設置された監視カメラが捉えた。

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冬になるとクマは冬眠するはずだが、今シーズンは北海道内各地でクマの出没が相次いでいる。

2023年2月4日、函館市大船町の山林で木の剪定(せんてい)作業をしていた男性2人がクマに突然、襲われた。

このうち、69歳の男性が手足をかまれるなどケガをしたが、命に別条はなかった。

現場は、国道からわずか数キロの山林。近くにはホテルや学校もある。

警察によると当時、4人で剪定作業をしていたところ、40代の男性が突然、クマに襲われ、すぐそばにいた男性がクマを追い払おうとしたところ、もみ合いになったということだ。

4人は、クマが斜面から転がり落ちた隙に逃げたという。

相次ぐ「冬のクマ」の出没。年末にクマの出没が相次いだ札幌市では、西区の三角山や円山などを「ヒグマ対策重点エリア」とし、草刈りやハンターによる見回りなど、対策を強化している。

"冬眠しないクマ"…増えているのはなぜ?

北海道内で冬眠しないクマが増えているのだろうか?

道立総合研究機構・釣賀一二三研究主幹:
(今回の襲われたケースは)近くで一定の時間作業していて、いつまでたってもそこから去ってくれない。音にも気がついている状況だと思いますので、冬眠穴から飛び出してきた可能性がある

冬眠中のクマはわずかな音や振動でも目覚めてしまうことがあるという。
ウインタースポーツなどで冬山に入った際、クマを起こしてしまう恐れがあるのだ。

わずかな刺激で"目覚める"恐れも…

道立総合研究機構・釣賀一二三研究主幹:
冬だからクマは活動していないと思いこむのは良くない。冬登山とかは今回の山林作業とそれほど変わらないような状況になることもあるので、十分に注意した方がいい

冬でもクマと遭遇する可能性はあり得る…。クマがいる地域に入る際はいつでも十分な警戒が必要だ。

今回の事故は、巣穴にかなり近づいてしまったとみられるが、クマの側からすると「いつまでも自分たちの近くから離れてくれない」。だから巣穴から出てきてしまったと…。

こうしたことから特に山に入る際は、「クマは冬には活動していない」という思い込みは捨てるよう呼びかけている。

クマの冬眠は、わずかな"刺激"で目覚める恐れがある。さらに冬眠に入る時期が"遅れた"個体がいる可能性もあるのだ。

山に入る際は、穴や、穴を掘ったようなあと、足跡やフンに注意したい。
クマの痕跡を見つけた際は、すぐにその場を離れること。十分な警戒が必要だ。

(北海道文化放送)

記事 1072 北海道文化放送

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