岩手・盛岡市内の女子中学校に未来のバスケットボール日本代表入りを期待される選手がいる。身長177cmの恵まれた体格。その中学生離れしたプレーと、それを培う普段の生活に密着した。

177cmの身長…ゴール下で存在感

盛岡白百合学園中学校バスケットボール部は、中総体と新人戦でそれぞれ17回の優勝を誇る名門だ。その中でひと際存在感を放つのが、2年生の平陽希(たいら・ひまり)選手だ。

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平選手は、高いレベルの技術指導で次世代の日本代表を育成をする「U14ナショナル育成センターキャンプ」のメンバー20人に2022年、岩手からただ1人選ばれた。5回のトライアウトを経て、全国から選ばれる狭き門だ。

盛岡白百合学園中2年・平陽希選手:
(U14に)選ばれてびっくりした。今までやってこなかったプレーを教えてもらえて、ゴール下のプレーの幅が広がった

身長177cmと恵まれた体格の平選手。靴のサイズも28.5cmだ。

白百合学園高校との合同練習でも、一番大きいのは平選手だった。武器は、高さを生かしたゴール下のプレーだ。平選手も自分の強みを「高さを生かしたリバウンド、ゴール下で当たり負けしないプレー」と話す。

相手の高校生も全国大会常連だが、平選手は次々と得点を重ねた。長身を生かして奪うリバウンド、そしてキープしたボールは渡さない。中学生と高校生の両方を指導する小川陽ヘッドコーチは、技術以外の部分も評価する。

盛岡白百合学園中・高 小川陽ヘッドコーチ:
やられてもやられても、めげないメンタルの強さ。失敗後一番先に(守りに)戻る姿勢、そういうのが良さだと思う

中高生17人とコーチの自宅兼寮で共同生活 心の強さ培う

バスケットに取り組む平選手の表情は、真剣そのものだ。一方でチームメイトは、部活と違う表情を「授業が終わった途端うるさくなる」と語る。ニックネームは「ヒマゴン」だという。規格外のプレーヤーでも、学校では普通の中学生。お気に入りはぬいぐるみのペンケースだ。

平選手は大船渡市出身で、小川ヘッドコーチの自宅でもある寮で暮らしている。自宅が遠方にある中高生17人の共同生活で、中には自宅が約900km先の選手もいる。

盛岡白百合学園中1年・大槻佳子選手:
北海道・北見市から来た。レベルが高いところでチャレンジしたくて白百合に来た

小学校を卒業してすぐに親元を離れた平選手だが、当時はホームシックだったという。

盛岡白百合学園中2年・平陽希選手:
毎日(親に)会いたかった

寮の教えは「素晴らしい選手である前に素晴らしい生徒であれ」「バスケット『も』できる人間」だ。食事の準備、まわりへの目配り・気配りを通して、チームワークの土台となる人間性を養っている。

盛岡白百合学園中2年・平陽希選手:
(寮は)心が成長できる場だと思う。この生活全部が(バスケットに)つながっている

盛岡白百合学園中・高 小川陽ヘッドコーチ:
結局、みんな独り立ちして巣立っていく。自立するのが早いだけ、どこに出ても困らないのではないか

中学生離れした平選手のプレーを支えていたのは、寮生活で培われた心の強さだった。心身ともに成長著しい平選手。将来の目標を聞くと…。

盛岡白百合学園中2年・平陽希選手:
プロで活躍すること。ゴール下でも、その外側でもプレーできる選手になりたい

盛岡で、未来のバスケットボール界を担う逸材が羽ばたこうとしている。

(岩手めんこいテレビ)

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