高円宮妃久子さまは、2月8日、東京・文京区で開催された「世界らん展2023」の開会式に出席されました。

「世界らん展2023 ―花と緑の祭典―」開会式
「世界らん展2023 ―花と緑の祭典―」開会式
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トルコ・シリア大地震 被災者に向けてお見舞い

久子さまは、おことばの冒頭、2月6日にトルコ南部で発生した大地震や、ウクライナへの軍事侵攻について触れられました。

《久子さまのおことばより》
一昨日、トルコ南部、シリア国境近くで大規模な地震が発生いたしました。被災された全ての方にお見舞いを申し上げ、一日も早い復興を願っております。また、昨年2月に始まったウクライナに対しての軍事侵攻も1年たった今も続いております。身も心も傷ついた多くの方々、また祖国を守ろうと頑張っている多くの方々に一日も早く穏やかな日常が訪れますよう祈っております。

世界最大級のランの祭典「世界らん展」

2月14日まで7日間の日程で開催された世界最大級のランの祭典「世界らん展」。会場には約100万輪の色とりどりのランが集められ、高さ4メートルの壁を埋め尽くすように展示が行われました。

会場入り口を彩った「オーキッド・ゲート2023」
会場入り口を彩った「オーキッド・ゲート2023」
高さ4メートルにも及ぶ「らんの谷」
高さ4メートルにも及ぶ「らんの谷」

また、恒例のランの品評会には、全国から500を超える作品が寄せられ、開会式では、高円宮家の次女で、らん展の実行委員会名誉顧問を務める千家典子さんが受賞者に表彰状などを手渡しました。

千家典子名誉顧問と日本大賞を受賞した高橋昌美さん
千家典子名誉顧問と日本大賞を受賞した高橋昌美さん

「日本大賞」受賞は「無欲の勝利」別のラン出品予定が…

今回、最高賞に当たる「日本大賞」を受賞したのは、東京都の洋ラン生産業者・高橋昌美さんが育てたラン。33年前の第1回から毎回出品し、今回初めて大賞に輝きました。

             日本大賞に輝いた パフィオペディラム エメラルド フューチャー                               「グリーン モンスター」
             日本大賞に輝いた パフィオペディラム エメラルド フューチャー                               「グリーン モンスター」

高橋さんの父・靖昌さんも2016年に同じ品種(今回と同じパフィオペディラムという品種)のらんで「日本大賞」を受賞していて、親子2代にわたる快挙となりました。

その花もご覧になったことがある久子さまは「前のより大きいですね」と高橋さんに感想を述べられました。

15年かけて毎日手入れしたこの作品は、黄緑色の花びらがひときわ大きいのが特徴で「グリーンモンスター」と名付けられました。

日本人メジャーリーガーの活躍を楽しみにしているという高橋さん。この名前は、野茂英雄さんや松坂大輔さんなどが所属したボストン・レッドソックスの本拠地「フェンウェイ・パーク」にある有名な緑の巨大フェンス、通称「グリーンモンスター」からとったそうです。

この説明を受け、久子さまは「みんな名前を付けるのって、結構不思議なところから取りますよね」と語られました。

審査委員から「専門家の我々が見てもびっくりするほどの大きさ、非常に澄んだ色。堂々と咲いた花ですね」「隙がない、欠点が見つけられないほど、ほぼ完壁に咲いてきた花だと思 います」などと大絶賛された大賞作品。

受賞した高橋さんは「実は無欲の勝利」と、久子さまにこの花を選んだ不思議な経緯を説明ました。

品評会にらんを搬入する朝、育てている1万本のらんの中から20m先にあったこの1本がキラキラ光って見え、別のらんを出品する予定でしたが、急きょこちらに差し替えそれが見事大賞に選ばれたということです。

この話しを聞いた久子さまは「オーラを出すんですね。きっとね」としみじみと見入られていました。

美しいランに囲まれ、心ゆくまで楽しまれたご様子の久子さまです。

(「皇室ご一家」2月19日放送)