長崎の冬を極彩色豊かに彩る長崎ランタンフェスティバル。
新型コロナの影響で3年ぶりの開催となった2023年は1月22日から2月5日の15日間で、53万人が来場した。

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県の内外から大勢の観光客が集まり、最終日にはメイン会場の湊公園で入場制限が実施されるなど、大いににぎわいを見せた。そんな賑やかさとはまた違った、大人の楽しみ方がある。

ロウソクを灯し願いを込める

長崎ランタンフェスティバルは、中国の旧正月(春節)を祝う行事として親しまれていた「春節祭」がルーツで、長崎市の中心部が約1万5,000個のランタンで飾られ、街は色鮮やかなあかりに包まれる。

メイン会場の湊公園から歩いて3分程度の所に唐人屋敷会場がある。ここは地元ならではのディープな空気を感じることができる。

鎖国時代、唐人たちの居住地だった「唐人屋敷」。会場には、かつての風情を今に伝える4つのお堂があり、ランタンフェスティバルでは全てのお堂をめぐってお参りすることができる。

その際に欠かせないのがロウソクだ。

テレビ長崎・吉井誠アナウンサー:
ロウソクは4本ありますが、それぞれのお堂で違うお願いをした方がいいんですか?

販売の人:
お堂ごとにご自分の思いを込めて

ロウソク4本と干支のうさぎのストラップがついて500円。願いは1つでも、4つ別々でも大丈夫とのことだ。

まずは、土地を守る神様がまつられている「土神堂」に向かった。中国らしい赤いロウソクに願いを込めて火を灯す。

テレビ長崎・吉井誠アナウンサー:
これだけロウソクの灯りがあると、目を閉じていても明るく感じられるものなんですね

町内ボランティアの女性:
家を守る、家族を守る、お金が貯まる?!という感じです

そして、このお堂には珍しい笑っている神様も。
にこやかに笑っている「福徳正神」は、土地の神で商売繁盛や金運などのご利益があるとのこと。

“街ブラ”で思わぬ発見も

風情ある夜の中通りで夜だから気付ける中国らしさを吉井誠アナウンサーが見つけた。

テレビ長崎・吉井誠アナウンサー:
シャッターにたくさんパンダが描いてある。こちらは龍と鳳凰が描かれています。町歩きをしているだけで中国ムードを感じられますね

「天后堂」には、航海安全の女神「媽祖様」が祀られている。

「媽祖様」は、開運成就、交通安全、除災招福などご利益は多彩。

テレビ長崎・吉井誠アナウンサー:
住宅地の細い路地に、2本のランタンのラインがある。これが道しるべになっている

3番目に訪れたのは「観音堂」だ。大正6年、1917年に改築されたこのお堂に祀られているのが「関聖帝君」。

テレビ長崎・吉井誠アナウンサー:
表情が険しいですよね。関帝さまです

「関聖帝君」は、三国時代の武将でご利益は合格祈願などがある。

二胡の生演奏で中国文化をさらに感じる

最後、4つめのお堂「福建会館」ではうれしいサプライズがあった。

テレビ長崎・吉井誠アナウンサー:
生演奏でしょうか。音色が聞こえてきます。

長崎ランタンフェスティバル期間中「福建会館」では、二胡の生演奏が楽しめ、中国文化を肌で感じることができる。

地元の観光客:
こちらは落ち着いた雰囲気で、ゆっくり楽しめますね

ーーどんなお願い事をしましたか?

地元の観光客:
2人の仲が発展するように祈りました

十善寺地区連合自治会・河原廣行会長:
中国ムードは、長崎の基本の形になっているので、それがまだまだ残っているという趣をこれからも皆さんに見てもらえる、来てもらえる雰囲気作りをしたい

唐人屋敷会場のロウソク祈願四堂巡りは、長崎ランタンフェスティバル期間中のみの開催。

イベント期間中に長崎を訪れた際には、ランタンの美しさと脈々と受け継がれてきた長崎らしい街の風情を感じながら大人の町歩きを体験してみては。

(テレビ長崎)

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