ひらめきを頼りに挑戦する「謎解きゲーム」を商店街活性化の起爆剤にしようという取り組みが、島根・松江市で進んでいる。問題作成を手がける男性は「楽しく伝える力」で街の魅力を引き出したいと意気込んでいる。

手がけた「謎解きゲーム」は150以上

奈良井健悟さん(40)は、松江市の学園通り商店街で飲食店を経営している。その奈良井さんには、もうひとつの顔があった。

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奈良井健悟さん:
これは、僕が大好きな「謎解きゲーム」にまつわる本とか、ついつい手に入れてしまうものがどんどんたまっていきまして。これ一部なんですけど

実は、大の「謎解きゲーム」好き。「謎解きゲーム」は、パズルや暗号などをヒントに複数の問題を解き進めていくアトラクションで、山陰でも体験型イベントが開かれている。

奈良井さんは、2015年に東京で「謎解きゲーム」を体験したのがきっかけでその魅力にとりつかれ、今では自身も「謎解きゲーム」作家として、出題する立場にもなっている。

奈良井健悟さん:
これはスクラッチを削って次の展開へ進んでいく一場面ですね。「サンタクロースのポケットを見てみよう」という言葉が浮かび上がってくる。小さいものをあわせると、150ぐらいの「謎解きゲーム」を作ってきました

あなたはこの謎が解ける?

そんな「謎解きゲーム」を知り尽くした奈良井さんが新たに仕掛けたのが…。

スーパーの入り口に“謎”が…
スーパーの入り口に“謎”が…

竹下慧記者:
松江市内のスーパーです。入り口には問題が描かれています。こちらから、商店街ぐるみの「謎解きゲーム」がスタートします

謎解きの舞台は商店街
謎解きの舞台は商店街

その名も「謎解きまちあるき」。自身の店がある「学園通り商店街」を舞台にした「謎解きゲーム」だ。

スタートは、商店街の中心に位置するスーパーマーケット。パンフレットを手に取り、壁に貼られたQRコードをスマートフォンで読み込むと、ゲームに参加できる。

竹下慧記者:
クロスワードのような形の中に「花」という言葉と、数字が順番に並んでいます。どういう意味なんでしょうか?

問題は子どもでも楽しめる内容で、クリアした人には、抽選で地元・島根スサノオマジックの観戦チケットや家庭用人気ゲームなどが当たる。

竹下慧記者:
ヒントは「50音順」と書いてありますね。「ま・ち・あ・る・き」が答えですね

答えを送信すると新たなヒントが…
答えを送信すると新たなヒントが…

記者も答えを入力して送信すると、次の目的地へのヒントが出てきた。クリアまで、所要時間は1時間程度だということだ。

目指すは商店街の活性化

学園通り商店街は、郊外の幹線道路沿いを中心に約1km四方の範囲に店が点在する「ロードサイド型」の商店街。

松江学園通り商店街・陶山治三さん:
この商店街はロードサイド型で、車が多い商店街です。歩いてもらって、にぎわいを作りたい

訪れる客は車の利用が多く、商店街では、いわゆる「街ブラ」が楽しめる環境をつくり、歩いて訪れる買い物客を増やしたいと考えていた。

松江学園通り商店街・陶山治三さん:
組合員の中に「謎解き」の企画運営ができる会社があったので、協力して、企画をすることになりました

そこで、協力を求めたのが、奈良井さんだった。

奈良井健悟さん:
地域のことを、学んでほしいことであれば、地域のスポットをクイズ形式で知ってもらうとか。僕は、誰かのために作るという方が、別の土俵で勝負できるし、喜びが大きい

「謎解きゲーム」を楽しむなかに、「学び」の要素も取り入れたいという奈良井さん。

今回のまちあるき企画も、お店にまつわるエピソードを織り交ぜるなど、新たな角度から商店街に興味関心を持ってもらう工夫を凝らしている。

奈良井健悟さん:
自分たちの大好きな「謎解きゲーム」も知ってほしいというのがありますし、できることなら、島根や山陰にかかわる「謎解き」をたくさん作っていきたいと思っている

趣味を生かして、地域に貢献。
「エンタメ」と「学び」を融合させた「謎解きゲーム」は、商店街の活性化にも役立つ大きな可能性を秘めているかもしれない。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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