岡山市の企業がクラシックカーを“EV(電気自動車)”に再生する事業を始めて1年余りがたった。EV化にかかる費用は1,000万円を超えるが、目標を上回る受注があり好調だという。技術者たちが奮闘する工場を取材した。

好調なクラシックカーの“EV化”

自動車整備などを請け負う両備テクノモビリティーカンパニーの工場で、2022年に始めて好調なのが、クラシックカーのEV化、つまり電気自動車に変える取り組み。

戸田奈沙記者:
この1970年製のベンツ(メルセデスベンツ280SEL)、実は電気で走るEV車(電気自動車)なんです。今、このようにクラシックカーをEV化できるんです

1970年製のベンツを“EV化”
1970年製のベンツを“EV化”
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ガソリンのエンジンを取り外してEVバッテリーを載せるが、現代の車と構造が違うため高い技術が求められる。

現代の車と構造が異なる
現代の車と構造が異なる

両備テクノモビリティーカンパニー吉備工場・大塚雅士副工場長:
EV化するにあたり、たくさんの機器を載せないといけない。安全な場所に配置する設計から、失敗を繰り返し勉強しながらやっている

高い技術を要するため、技術者も奮闘

EV化にかかる費用は1,000万円を超えるが、自分のクラシックカーをEV化する人に加え、EV化済みのクラシックカーの購入を検討する人もいるそう。

受注数は目標を上回り、1年間で12件あったという。

脱炭素社会に貢献

EV化が完了した1970年製のメルセデスベンツ280SELは、今では見られない灰皿があり、レトロなデザインはそのままだが…機能面では、モニターや音響設備など最新のモデルが搭載されている。

懐かしい灰皿もそのまま
懐かしい灰皿もそのまま

両備テクノモビリティーカンパニー・木内直人カンパニー長:
全てのユーザーからいただいているのは「乗り心地が良くなった」と。大きなEV化の山は登り切ったけれど、次は水素などに変わっているので、その技術を取り込まないと残っていけない

「EV化の山は登り切った」と語る木内直人カンパニー長
「EV化の山は登り切った」と語る木内直人カンパニー長

脱炭素社会に向けた動きが加速する中、クラシックカーのEV化はますます注目を集めそうだ。

(岡山放送)

岡山放送
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