衆議院憲法審査会の与党幹事らが7日、会合を開き、今国会での開催に向けた与党側の対応を協議した。去年の国会では、憲法審査会を毎週のように“定例開催”する形が定着し、停滞状態を脱しつつあった「改憲をめぐる議論」だが、ここにきて暗雲が立ちこめている。
協議には、与党側の自民・公明両党に加え、野党側で憲法改正の賛成会派である国民民主の玉木代表、日本維新の会の馬場代表も出席した。
与党筆頭幹事の自民・新藤義孝衆院議員は協議後、記者団に対し「立憲民主党の中川氏(野党筆頭幹事)に開催を呼びかけたが、『衆議院と参議院での予算審議の目処がつくまでは開催は応じられない』と言われた」ことを明かした。予算案の審議中は憲法審査会を開かないという国会の慣例に基づく発言とみられる。
さらに新藤氏は、『立憲内部では、(前国会で)開催しすぎたので止める』という声もあるようだ」と説明した。
岸田首相は先月31日、衆議院予算委員会で「憲法改正は先送りできない課題。初の発議に向け、国会の議論の中でスケジュール感も共有しながら前に進めてもらうことを期待したい」と語っていただけに、その出鼻をくじかれた形だ。
協議では、こうした立憲側の姿勢について、「折角安定的な開催が軌道に乗ってきたところで、止める理由が納得できない」「開催しすぎたのでできないというのは、理由にならない」などの意見が上がり、今国会の憲法審査会の運営について話し合うための会合の開催を野党側に申し入れることで一致した。
新藤氏は、「(野党側が)なぜ憲法審査会の開催に同意できないのかをきちんと説明いただくことから始めたい」と述べ、野党側に呼びかけていくことを強調した。