秋田・男鹿市にある寒風山。寒い風の山と書く寒風山は晴れていても厳しい寒さとなっている。寒風山は地層や地形からこれまでの火山活動や大地の成り立ちを学べるジオパークとなっている。この寒風山に真冬に春を感じられる場所があることをご存じだろうか?
心も体も温まるあったかスポットは冬場の誘客の起爆剤になるかもしれない。
冬なのに春を感じられるスポット

男鹿市にある寒風山には、知る人ぞ知る魅力的な場所がある。冬は、寒い山だが、ほんわか温まるような不思議な場所がある。

案内してくれるのは「男鹿半島・大潟ジオパークガイドの会」澤木博之会長。「あったかスポット」があるのはトレッキングコースとして人気の蛇越長根。

雪が積もった登山道を進んでいく。気温の低さに加え、日本海からの冷たい風が吹き付ける中進んでいくと、雪がない場所があった。

秋田テレビ・佐藤愛純アナウンサー:
いままで雪道を歩いてきたが、ここだけ雪がない
男鹿半島・大潟ジオパークガイドの会 澤木博之会長:
これもほんわかスポットの一部
さらに、山を登ること30分。たどり着いたのが…。

男鹿半島・大潟ジオパークガイドの会 澤木博之会長:
ここが、温風穴。温かい空気が上がってくる穴があるので、そこに手を入れてみていただけますか?

秋田テレビ・佐藤愛純アナウンサー:
あ、本当だ、めちゃめちゃ温かい。これまで寒い中登ってきたぶん、全身温まる

風穴の中の温度を測ってみると…14度と冬だと思えないような気温。
風穴内の温度は外より10度以上高く、温度差で撮影カメラが曇ってしまうほど…。周りにはコケや草が青々と茂っていて、ここだけ季節が進んでいるかのよう。まさに「ほんわかあったかスポット」。
夏は涼しい風が出る「風穴」も

温風穴を含め、そもそも、風穴がなぜできるのかというと、火山活動によって大地にごつごつとした岩が積もる。この積もった岩の間には隙間ができ、隙間に入った空気は夏は温められ冬は冷やされる。

この空気と外で温度差が出ることで、空気の流れ、つまり風が生まれる。温かい空気は上に上がる性質があるため、冬になると山の上のほうにある風穴から温かい風が吹き出すという。この温かい風が出る穴を「温風穴」という。
また、同じ原理で冬に冷やされた空気は夏に押し出されるため、下のほうにある別の風穴から冷たい風が吹き出す。これは、「冷風穴」と言い、夏場にはひんやりスポットとして楽しめる。

男鹿半島・大潟ジオパークガイドの会 澤木博之会長:
トレッキングして景色を見ながら、こういうスポットがあるということで楽しみが増えますので、不思議な場所としてご紹介したい
真冬の寒風山で、大地の不思議と一足早い春を感じてみませんか?
(秋田テレビ)