茨城県・笠間市のJR常磐線の踏切で、今月6日午前、電車と軽乗用車が衝突した事故。命を落としたのは、今年の春に中学への入学を控えた、ひとり息子の制服を買いに向かっていた母子だった。ひとり残された父親が、きょう、「イット!」の取材に応じた。

この記事の画像(14枚)

父親:息子には愛情を全力で注ぐ母親で、自分の時間を削って、子どもの面倒をみてくれておりました。私のやることの10倍、20倍、30倍、子どもに時間を費やしていた母親です。

事故前日、妻の照美さんは、こう話していたという。

父親:1月6日は、年間でも非常に運気が高い日、一番いい日だということで、その日に、息子の制服を買いに行く、自転車を見に行くということを、前日に話しておりました。

事故が起きたのは、先週金曜日の午前8時ごろ。JR常磐線の踏切で、品川行きの上り電車と軽乗用車が衝突。軽乗用車は、電車に引きずられ、踏切から、およそ360m離れた場所で、止まった。

この事故で、軽乗用車を運転していた、高安照美さん(50)と、後部座席に座っていた息子の規稔さん(12)が、激しく損傷した車の中から助け出されたが、死亡が確認された。死因は、脳挫傷だった。

事故から3日が経ったきょう、現場の踏切には、花やお菓子が供えられていた。今回、事故が起きた現場では、おととし12月にも、特急列車と車が衝突する死亡事故が起きていた。

高安さん家族は、この現場について、事故が多いから、気をつけなければいけないと、話していたという。

父親:以前、事故が起きた時に、妻と話をしていて。踏切の交差点を出たところが、T字路になっているとか、そういう形状のところで、難しい踏切だなということは、常々思ってはいたんですけど。

息子の規稔さんが、中学生になるのを楽しみにしていたという、妻·照美さん。それだけに、今回の事故は、残念でならないと話します。

父親:これからの中学校生活を楽しみに、制服を買いに行こうとしていたので、それだけに、今回の事故は、本人が一番望んでいない事故で・・・。どれだけ無念だったかというのを思うと、つらくていられない状態です。

大切な家族ふたりの命を同時に失うことになった男性は、今も、深い悲しみの底にいる。

(「イット!」1月9日放送)