超党派議連が公開質問状を韓国議員に送付

日本側の制止を無視して島根県の竹島に韓国の国会議員が上陸(10月22日)
日本側の制止を無視して島根県の竹島に韓国の国会議員が上陸(10月22日)
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超党派で作る「日本の領土を守るため行動する議員連盟」は6日会見し、日本側からの制止を無視して島根県の竹島に不法上陸した、韓国の国会議員13人に対して公開質問状を送付すると発表し、その内容を明らかにした。

超党派「日本の領土を守るため行動する議員連盟」の会見(11月6日)
超党派「日本の領土を守るため行動する議員連盟」の会見(11月6日)

議連の会長である自民党の新藤義孝元総務相は「韓国の国会議員さんたちは、何を根拠に、日韓が領有権で争っている、しかも私たちの固有の領土の竹島に上陸できるのか?その根拠、認識を確かめたいということで、今回、公開質問状を作りました」と述べた上で、次のように指摘した。

「摩擦を煽るためのものではなくて、見解が違うならば話し合うべきなんですよ。でも韓国の人たちはいつも一方的に私たちの島だと。この島に対して日本が何かいうのはけしからんと。じゃあ、なぜ私たちの島なんだ?ということは1つも説明がない

竹島は歴史的にも国際法上も明確に日本固有の領土であるにも関わらず、韓国側は一方的に竹島の領有権を主張して不法占拠しているが、歴史的な事実関係や、明確な根拠となる資料が一切提示されていないことについて、韓国側の認識を問いただし、異なる見解があるなら堂々と議論の臨むべしと訴えた形だ。

会見する新藤義孝元総務相(11月6日)
会見する新藤義孝元総務相(11月6日)

公開質問状で問いかけられた5項目

議連が作成した今回の公開質問状では、韓国側に領有権を主張する理由を教えてほしいというスタンスを取っている。

 質問状は韓国国会議員による竹島上陸について「強い遺憾の意を表明し、断固として抗議」という文言から始まり、1952年の「李承晩ライン」の設定など、国際法を無視した韓国側の歴史的な行動についても触れた上で、「竹島が韓国領であるとする歴史的根拠及び国際法上の根拠の明示・説明を求める」とし、具体的には以下の5つについて説明を求めている。

1. 韓国側は「竹島は地理的に欝陵島の一部として認識されてきました」としていますが、それを示す歴史的根拠・史料は何か、説明を求めます。

2.韓国側は「韓国が竹島を韓国領土として認識・統治してきた歴史的事実は、韓国の官撰文献にも記録されています」としていますが、それを証明する文献は何か、説明を求めます。

3.韓国側は「1905 年、島根県告示による竹島編入の試みがあるまで、日本政府は竹島が自国の領土でないと認識していました。これは1877 年の「太政官指令」など日本政府の公式文書でも確認できます」としていますが、その「太政官指令」で「竹島外一島」とされた島々が、その後、日本ではどのように認識されていったのか、その歴史的経緯と事実についてどのように理解されているのか、説明を求めます。

4.韓国側は「第二次世界大戦の終戦後、竹島は韓国の領土に戻り、大韓民国政府は確固たる領土主権を行使しています」としていますが、その国際法上の根拠・文書は何か、説明を求めます。

5. 以上、日韓のわだかまりを解消するためにも、日韓の国会議員は、互いに問題点を話し合うことのできる連絡機関を設定したいと考えますが、その考えに同意していただけますか。

※公開質問状は新藤氏のfacebookなどでも発信されていて、日本語以外にも、韓国語、英語版も作成されている。
 

韓国側は自らの主張の裏付けを説明すべきではないか

新藤氏は、韓国側の主張における「韓国が竹島を地理的に鬱陵島の一部として認識してきた」との内容についても、「竹島を韓国側の地図で記し、古くから自分たちの島であったという根拠を示すものがあるんでしょうか?私たちが調べている限り1枚もありません」と指摘する。

また、新藤氏は「もし韓国の皆さんが違うことを考えているならば、それを日韓の国会議員同士が話し合う機会を作ってもいいじゃないか。この問題は日韓の信頼を深めるためにも、真の関係を作るためにも避けて通れない問題だ。正式な議論の場を政府同士が作れないならば、国会議員同士が作ろうではないか。そしてマスコミも含めて、それが国民の中の、草の根の国民交流のレベルの竹島に関する話し合い、意見交換会、こういったものができないんだろうかと。こういうご提案をしたい」と思いを述べた。

島根県の竹島に上陸した韓国の国会議員(10月22日)
島根県の竹島に上陸した韓国の国会議員(10月22日)

果たして韓国の国会議員はこの問いかけにどう対応するのか。国際法や歴史的事実基づく明確な根拠も示さずに一方的に領有を主張するだけなのだろうか?対話の呼びかけすらも無視するような行為を万が一にも韓国の国会議員が取れば、韓国の国際的な地位の低下につながることはもとより、両国間の信頼に大きな傷をつけることは明白だ。

韓国の国会議員による誠実な対応、そして日韓両国の真の友情構築につながることを期待したい。

(フジテレビ政治部 自民党担当キャップ 中西孝介)

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中西孝介
中西孝介

FNNワシントン特派員
1984年静岡県生まれ。2010年から政治部で首相官邸、自民党、公明党などを担当。
清和政策研究会(安倍派)の担当を長く務め、FNN選挙本部事務局も担当。2016年~19年に与党担当キャップ。
政治取材は10年以上。東日本大震災の現地取材も行う。
2019年から「Live News days」「イット!」プログラムディレクター。「Live選挙サンデー2022」のプログラムディレクター。
2021年から現職。2024年米国大統領選挙、日米外交、米中対立、移民・治安問題を取材。安全保障問題として未確認飛行物体(UFO)に関連した取材も行っている。