2022年に起きた石川県の様々な出来事をシリーズで振り返る「ブラボー!石川この1年」シリーズ2回目は「経済編」物価高騰で様々な場所にしわ寄せ…ただ、コロナ禍でも祭りなどには活気が戻りつつあった。

値上がり!円安!物価高騰!

2022年の漢字「戦(せん)」

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2年以上にも及ぶコロナとの戦いに疲弊した日本経済を、更に異国の「戦い」が追い打ちをかけた。ロシアによるウクライナ侵攻で原油価格などが高騰。

さらに4月には1ドル126円後半とおよそ20年ぶりの円安に。

鈴木大臣からはこの言葉が…

鈴木俊一財務大臣:
円安が進んで輸入品が高騰している「悪い円安」ということが言えるんじゃないかと。

円安の流れは止まらない。10月末にはおよそ32年ぶりに150円台に。原材料費の高騰も重なり様々なものが値上がりした。

林健太郎記者:
この酒店では、あすからの値上がりを前に、たくさんの人がお酒を求め、詰めかけています。

帝国データバンクによると、14年ぶりに値上がりしたビール類を始め、この1年間で食品の値上げは累計2万品目あまり。

県民:
すべてがが高いと思っています。買おうと思っても控えるものもあります。

その値上げ幅は平均で14パーセントと家計を直撃した。

秋末械人アナウンサー:
物価の高騰は、憩いの時間、給食にも影響を与えています。

かほく市では4月から給食費の値上げに踏み切った。

それでも…

かほく市第2学校給食センター栄養士 堀いづみさん:
いま、始まったことではないが、やはり厳しいですね。

記者:
好きな献立は?
児童:
うどん!鶏肉のスタミナ焼きは、やっぱり、食べたらスタミナばっちりー!揚げパンです!

堀さん:
献立をたてるときにお肉を安いものにしたり、かわいそうなんですがデザートを削ったりもたまにしています。

穴水町と加賀市などは小学校の給食を無償化する自治体もあった。

しかし、その食を支える方にも、限界が…

西出牧場 西出宏さん:
今年入ってからの値段の上り方は異常ですね。

酪農家 川上充紀さん:
下手すると、バタバタと酪農家は倒産にいくんじゃないかと…

燃料の高騰に加え、海外にたよっていた餌代の値上がりで酪農家から悲鳴も…。

国の補助だけでは立ち行かず、県や市に窮状を訴えた。

JA金沢中央 田村政博組合長:
過去にない、最大の危機だと思ってます。

「危機」は、業界を問わず広がった。

北陸電力 松田光司社長:
オイルショックや震災直後の収支悪化を「はるかに上回る」過去最大の赤字となる見込みであります。このままでは電力の安定供給に万全を期すことに影響を及ぼしかねない恐れもあります。

北陸電力の決算発表。連結で1000億円の赤字になる見通しだと明らかにした。これは過去最大の値。原因は燃料費の高騰だ。

敷地内に活断層があるか審査が続いている志賀原発は、年明けに判断が下される見込みで、運転停止は長期化している。

このため、北陸電力は来年4月から規制料金でおよそ45%余りの値上げを国に申請した。

また、北陸鉄道も25年ぶりにバス運賃の値上げへ。

北陸鉄道 宮岸武司社長:
これは、ある意味異常な事態にありまして、バスの運行安全維持をしていく観点から、運賃改定はやむえないのです。

また、金沢地区のタクシーも国に値上げを申請。運賃の改定は審査を経て来年4月に行われる見通しだ。

県タクシー協会 市村祐二会長:
値上げという方向でやらせていただかないと、現状ではやりきれない思いが各社にあります。

活気あふれた市場!祭り!

出口日菜穂記者:
午後5時半です。市場には続々と大きなカニが集まってきています。

一方、こちらの値に全国が注目した。

せり人:
100万

初日にオスの「輝」と認定されたのは橋立港の1匹のみ。こちらについた値は100万円だ。

一方、ズワイガニのメス、コウバコガ二も「輝姫」という名で新たにブランド化!

初セリでついた値は30万円!地元の料亭が「輝姫」とセットでセリ落とした。

料亭新保 福島公一オーナー:
今年はダブルネームなのですごく価値があるかなと思います。

さらにこちらも!

向山侑希アナウンサー:
いま、県内各地から水揚げされたブリが続々と市場に到着しました。

能登で取れた天然の寒ブリ。重さが14キロ以上で傷がないなど、厳しい基準をクリアしたものを新たなブランド「煌」に認定する。

初日に水揚げされた600匹のブリのうち、認定されたのは、わずか1匹。セリも白熱した!

せり人:
400万円

価格はなんと400万円。県内のスーパー「どんたく」がセリ落とした。

どんたく 山口宗大社長:
我々、能登出身の企業なので、これを機にもっと能登にスポットが当たれればいいなと思って
参加しました。

県漁協によると、12月21日までに輝は9匹認定され平均価格は17万円。輝姫は58匹認定され、平均価格は1万9000円の値で推移している。しかし、「煌」は初日以降、一つも認定されていない。

新型コロナで中止が続いていた各地のお祭り。

秋末アナ:
3年ぶりにでか山が勢揃いしました。

感染対策を徹底して3年ぶりに開催された。

山下理恵記者:
美川の人たちが心待ちにしていたおかえり祭り。3年ぶりの開催に大人も子供も地元は大いに盛り上がっています。

さらにこのお祭りも!

前田利家公役 竹中直人さん:
出立じゃぁ~!

3年ぶりに開催された金沢百万石行列。沿道には34万人の市民が詰めかけた。

しかし、こんな騒動も…

スタッフ:
写真撮影はご遠慮ください。

主役2人の撮影禁止が物議をかもした。来年は撮影可能だということだ。

コロナ禍の光と影

みやびの宿 加賀百万石 吉田久彦社長:
まずはお詫びを申し上げたいと思います。申し訳ありませんでした。

加賀市山代温泉では、2軒の旅館が新型コロナ対策の「雇用調整助成金」を不正受給していたことが明らかに…。

返還額はそれぞれ1億数千万円に上るという。

新型コロナ対策で賛否両論あったこちらは決着が…。

国の交付金およそ2500万円をつぎ込み国の内外に物議をかもした能登町のイカキング。その経済効果がおよそ6億円に上ると公表した。

羽咋市民:
6億円の価値がある!リピーターです。

いろいろあった2022年。クリスマスを前に需要が増える七面鳥。

輸入トウモロコシなどの高騰が止まらず、10月にはエサ代が1トン当たり10万円に。以前の1.5倍だ。苦肉の策として、エサの半分をコメに変え生き残りに必死だ。

七面鳥農家 大村正博さん:
肉を使うシェフにも味はいい感じと捉えてもらっています。この七面鳥じゃ味が落ちたよねという声はお店からは聞いていません。自信作になっています。良くなることは全て取り組んでいます。それをしないと経営が成り立たない部分もあります。

さらに観光業界にも光が…

金沢彩の庭ホテル 菊田正治マネージャー:
この11月、12月はコロナ前よりも国内外含め多くのお客さまにお越しいいただいたので引き続きこの調子が続くと良いなと思います。

10月に水際対策が緩和され外国人観光客の予約はコロナ禍前の半分まで戻ってきた。

コロナ禍から回復しつつある中、円安や物価高騰などで景気の先行きは不透明だ。2023年こそ「ブラボー!」と手放しで喜べる一年となることを期待したい。

(石川テレビ)

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