円安やウクライナ情勢など、家庭や企業に影響を与え続けた物価の高騰。クリスマスを前に繁忙期を迎えているケーキ店も大きな打撃を受けている。

あらゆる食材の高騰

ちょうど1年前も「食材の仕入れ価格が前年に比べ1割高くなっている」と話していたケーキ店。

ガトーシェフ三昧堂 高井司 代表取締役社長(2021年):
正直、本当に今、厳しい状態

2021年
2021年
この記事の画像(13枚)

2022年は物価高騰が及ぼすケーキ店への影響はより深刻なものになっている。

小麦粉・卵・砂糖・イチゴや栗、チョコレート・アーモンド、ケーキに必要なあらゆる食材の価格が世界的な穀物不足や円安、燃料の高騰などにより、さらに値上がりしている。

食材が値上がり
食材が値上がり

ガトーシェフ三昧堂 高井司 代表取締役社長:
ほぼ全ての食材が10~15%、2021年より上がっている

梱包資材の高騰も深刻だ。

ガトーシェフ三昧堂 高井司 代表取締役社長:
箱や特に値上がりしたのが袋。紙袋の価格が4月の時点で25%以上、上がっている。一番ダメージがでかい

紙袋も値上がり
紙袋も値上がり

対策として、それまでお客の要望があれば無料で配っていた菓子の小分け用袋を4月に有料に切り替えたという。

食材や梱包資材の値上がりから、この店では4月、ケーキ1つにつき20円ほどの値上げに踏み切ったが、わずかな価格転嫁では値上げ分を賄い切れていない。

ガトーシェフ三昧堂 高井司 代表取締役社長:
もう不安だらけ。これから食材の価格はどんどん上がっていく一方だと思っている

年明けには生クリームの値上げを予想しているが、ここに加えて、さらに経費を押し上げているのは電気代。

ガトーシェフ三昧堂 高井司 代表取締役社長:
電気代は7月から約30%以上、上がってきている

ショーウインドーの照明や冷蔵庫・オーブンと、ケーキ店の経営には電気が欠かせない中、唯一できる節電は…

ガトーシェフ三昧堂 高井司 代表取締役社長:
電気に関しては、オーブンを使う時間を極力短くして、集中して焼き物をするぐらいしか対策できない

終わりの見えない物価や電気代の高騰。大きな不安を抱える一方、クリスマスケーキの予約は好調で、この日もケーキを予約する客が次々に訪れていた。

ガトーシェフ三昧堂 高井司 代表取締役社長:
クリスマスくらいは、みんなで楽しみたいだろうというのがある。私たちも楽しんでもらいたいと思っているので、なんとか頑張ろうと思っている

家庭も企業も物価高騰に苦しんだ2022年。「1年の最後にケーキを囲んで笑顔になってほしい」とこの店では20人態勢でクリスマスケーキの製造にあたる。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
NST新潟総合テレビ

新潟の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。