白と黒のしましま模様が特徴の“シマウマ”を、上から見たことはあるだろうか?

広島県にある福山市立動物園の公式Twitterアカウント(@FukuyamaZoo)が、「シマシマを上からどうぞ」とのコメントと共に投稿したのが、ハートマンヤマシマウマの背中を写した1枚の画像だ。

白と黒のしましま模様を真ん中で分断するかのように、1本の黒いラインが入っている。

シマウマの背中を上から見ると…(提供:福山市立動物園)
シマウマの背中を上から見ると…(提供:福山市立動物園)
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シマウマの模様といえば、横から目にする縦の白黒ラインを思い浮かべる人が多いことだろう。まさか背中にある1本の黒いラインで左右に分かれていたとは…。

あまり見かけない角度からの画像には、Twitterでも「これは貴重な画像ですね!」「新しい発見がありました」「背中にファスナーついてるみたいですね!」などの驚きのコメントが相次ぎ、2万以上のいいねがつく話題となっている(12月15日時点)。

模様はそれぞれ異なるが、必ず黒ライン

分け目のように見える黒いライン模様だが、これは毛なのか?肌なのか?全てのシマウマの背中はこの模様なのだろうか?

気になる点を福山市立動物園のシマウマ担当・石川智史さんに聞いた。


ーー撮影されたシマウマについて教えて。

11歳のメスのオリーブです。「ハートマンヤマシマウマ」というヤマシマウマの亜種で、南西アフリカの主に山地に住んでいます。彼らにとって日本の冬は寒いでしょうから、気温には注意して飼育しております。

オリーブちゃん(提供:福山市立動物園)
オリーブちゃん(提供:福山市立動物園)

ーー黒ラインが入っているのはオリーブちゃんだけの模様なの?

いいえ。この個体だけではなく、珍しくもありません。すべてのシマウマにあるかは分かりませんが、ハートマンヤマシマウマだけでなく、多くのシマウマの背中の真ん中に黒いラインがあります。

お尻の方まで黒ラインがある(提供:福山市立動物園)
お尻の方まで黒ラインがある(提供:福山市立動物園)

ーー黒ラインは毛と肌どっちになる?どの個体も真っすぐなライン?

毛です。同じ模様の個体はいません。黒いラインは多少ゆがんでいますし、個体それぞれ異なります。(黒ラインが)途切れている個体を私は見たことはありませんが、いてもおかしくないかもしれませんね。

地肌は黒 毛は白と黒そして少し茶色も…

ーーシマウマの模様は白と黒の2色だけなの?

境目はしっかり白黒分かれる印象です。白と黒の毛が入り混じる部分はありますが、灰色の毛ではありません。灰色というより茶色のところはあります(顔の鼻先など)。

顔部分の毛は確かに茶色っぽい(提供:福山市立動物園)
顔部分の毛は確かに茶色っぽい(提供:福山市立動物園)

ーー肌の色は何色?

地肌の色は、基本は黒色と言われています。


ーー毛並みの触り心地を教えて。

毛はかたく、毛並みに逆らって触るとチクチクします。どちらかというとフワフワよりゴワゴワです。

おなかの白い部分も毛だという(提供:福山市立動物園)
おなかの白い部分も毛だという(提供:福山市立動物園)

ーー投稿が話題となっているけど、どう感じている?

動物たちの模様はとても美しく、その要因は分かっていないことも多いので、興味を持ってもらえて嬉しく思います。

なお現在、福山市立動物園では2頭のハートマンヤマシマウマを飼育しているという。横になっているときなどを狙えば、背中の黒ラインを確認できるかもしれない。

シマウマに限らず他の動物でも、普段とは違う角度や視点で見てみると、新しい発見があることだろう。

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。