中国が突然ゼロコロナ政策を緩和した。その影響でここ数日、各地で新たに見られるようになった光景。それは…。
上海市内の薬局前には、開店前にもかかわらず行列ができていた。

SNSにも薬局の人だかりに驚く住民の様子が投稿されている。
動画撮影者:
こんなに多くの人が薬を買いに来ている。数えきれない。ああ神様!約200mは並んでいるわ!

薬局に人が殺到する理由はゼロコロナ政策が突然緩和されたためだ。
厳しいゼロコロナ政策で高まっていた市民の不満をそらすためか、今まで認めなかった陽性者の自宅隔離を認めると当局が発表した。

ゼロコロナ政策の緩和で混乱
その影響でコロナに効くとされる解熱剤を買い求める客が薬局に殺到した。他の薬と抱き合わせでないと売らないという店も出るなど混乱が拡大している。
店員:
(他の薬を買わないなら)今日は買わなくていいでしょ
客:
事前に教えてよ!なぜ(目的の解熱剤は)他の薬と一緒じゃないと買えないというの?

店員:
他に買わないの?じゃダメだよ
飲食店の客は陰性証明が不要に しかし…
上海市内では飲食店にも変化が起きている。
12月8日までは客はQRコードを使い、陰性証明を提示する必要があった。
しかし、12月9日からは陰性証明を見せなくても、自由に入店できるようになった。
しかし、上海市民からは歓迎する声だけではなく、戸惑う声も聞こえてくる。
上海市民A:
とても嬉しい!
上海市民B:
感染の心配はあるけど日ごろから予防すれば大丈夫
上海市民C:
一気に開放したらお年寄りたちには危ない気もする

一方で、飲食店側の負担はこれまでと変わっていない。
大阪王将を取材すると、出勤前従業員がPCR検査を受けていた。

店によると、当局からの厳しい管理はこれまで通りで、1人の検査漏れも許されないという。
大阪王将 中国事業責任者・廣田恵二さん:
僕ら飲食店はやらないとダメです。毎日まだ…

こうした中、政府系メディア環球時報の元編集長は「自宅隔離が認められた今、発表されている感染者の数は実情とかけ離れている」と指摘。

感染爆発が起きているのではとの見方も浮上するなど、中国のコロナ政策を巡る混乱はしばらく続きそうだ。
(「イット!」12月9日放送より)