高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場選定に向けた調査が北海道の寿都町と神恵内村で始まって2年が過ぎた。しかし国民的な関心は高まらないままだ。

そうした中、寿都町と福島県の高校生が交流し、核の問題について議論を深める機会が設けられた。17歳の思いとは。

「原発再稼働」議論されるなか

ロシアによるウクライナ侵攻、そして世界的なエネルギー需給のひっ迫を受け、岸田首相は原発の「最大限活用」を掲げている。

一方で原発から出る核のごみへの関心は高まらないままだ。

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そんななか寿都町と福島県の高校生が交流し、自分たちは核とどう向き合うべきか、議論を深める機会が設けられた。

核のごみの最終処分場選定に向けた文献調査に応募したことで、この2年間 議論の中心にいた寿都町。

核にどう向き合うべきか、自分たちの答えを出したいと考えた高校生たちは2022年8月、福島県を訪問した。

福島県の訪問では廃炉作業が続けられる福島第一原発を訪れた。

東京電力の担当者:
2号機もまだ使用済み燃料プールから燃料の取り出しは行われておりません

巨大な電力を生み出してきた力と、廃炉作業を阻む放射線。核の現実を見つめた。

寿都高校1年・中山凌空さん:
(原発事故は)経験していないが、すごく大きかったんだなと思った。見るだけで心が痛くなった

さらに東日本大震災が起きた時のままになっている小学校も訪れた。

寿都町の将来を考えたいと参加した沖田一心さん、事故の厳しさを目の当たりにした。

寿都高校2年・沖田一心さん:
これが自分の地元だったらやるせない

研修会を企画した福島のNPO法人の理事長、西本由美子さん。寿都町で進められている文献調査についての賛否を決める前に自分で見て聞いて考えることが大切だと考えている。

ハッピーロードネット・西本由美子理事長:
子どもたちと核のごみ。福島県も寿都町も同じ話題を抱えているが、なかなか言葉に出せない子どもたちがいる。自分の目で確かめてほしい。そのうえで何をしなければならないかを全国に発信したり世界に発信できたら素敵ではないか