岸信夫首相補佐官は10日、FNNの単独インタビューに応じ、岸田政権が目指す防衛費の相当な増額について「見せかけではなく真水(純粋な防衛予算)を増やすことが抑止力につながる」と強調した。
防衛費の増額をめぐって、政府内で、従来の防衛費に加え、海上保安庁の予算や研究開発費を含めようとする動きをけん制したものだ。
岸補佐官は、防衛力の強化や防衛費増額の背景として、「我が国は、ロシア、中国、北朝鮮の3正面に対峙していかなければならない。世界でも有数の厳しさだ」と指摘した上で、「我々は脆弱だ。国土を蹂躙させないためにも、抑止力を高めていかないといけない」と述べた。

さらに、防衛費の増額の財源として、「国債を、議論の最初から外すわけにはいかない」と強調。
その上で「増税による負担もあり得るが、全体の中で議論をしているところだと思う」と述べ、増税などについては、政府の有識者会議などの議論を見守る考えを示した。
防衛費の増額について「真水を増やしていくことが必要だ」とする岸補佐官は、防衛費に海上保安庁の予算を増額分に含めることについて、「海上保安庁は、防衛の中で様々な連携を取っているが、防衛の一端を担うことにはなっていない。有事の防衛の訓練をしているわけでもない」と述べ、慎重な考えを示した。