7月の参院選で躍進した参政党の神谷宗幣代表が5日、参院予算委員会で初めての質問を行い、石破首相と論戦を行った。
「わが党初めての予算委員会になる。よろしくお願いします」と質問を切り出した神谷代表は、「参政党は、この夏の参院選で『日本人ファースト』というキャッチコピーを掲げて選挙を戦い、たくさんの国民から支援をいただいた」と強調。
「『日本人ファースト』という言葉に込めた意味は、国境を越えた経済競争による行き過ぎた新自由主義、多国籍企業に富が偏在し、それぞれの国の中間層が没落してしまうようなグローバリズムと言われる状態に警鐘を鳴らす。我々は反グローバリズムを意味するキャッチコピーだと国民に訴えて来た」と説明した。
さらに、「一部メディアでは排外主義だと叩かれたが、全くそうではない。わが党が目指すのは、日本は日本として自立して強く豊かに存在して、他国との協調関係をしっかり作っていく。強く訴えて、支持を受けたものと理解をしている」と述べた。
また、神谷代表は石破首相に対し、アメリカのトランプ政権との関税交渉について、「トランプ大統領は、どれだけ今の共和党政権が進めていく政策と足並みをそろえて一緒にやってくれるのかという〝踏み絵〟を関税でやっているように私たちには見えている」と指摘。
その上で、「トランプ大統領から、例えば、日本が進めてきたSDGs政策を止めるとか、パリ協定を含む脱炭素政策を廃止するとか、パンデミック対策の見直しを含めたWHO(世界保健機関)からの脱退、ウクライナ支援の見直し、DEI政策の廃止、政府によるSNS規制の撤廃といったトランプ氏が表明している政策を一緒に日本もやらないかと提案された事実はないか」と質問した。
これに対し、石破首相は、「具体的な提案はない。対面でも電話でも、随分多く話はした。トランプ大統領が一方的に話すことはあるが、日本も一緒にやらないかという提案を受けた記憶は私はない」と答弁した。
そして、石破首相は、「国益に資するかどうかは、我が国が主体的に判断するもの。アメリカに言われて関税取引の交渉材料に、こういうものを使うということは、必ずしも正しいとは思っていない」と述べた