連日、昼だけの営業でラーメンが完売するという店が金沢市にある。店に寝泊まりし、一定間隔でスープに火を入れる。ほぼ休みがなくても、ラーメンづくりを「天職」と感じて情熱を注ぐ店主に記者が密着、ラーメンにかける思いに迫った。

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金沢で博多ラーメンが連日完売!

寒い時期になると食べたくなる熱々のラーメン。そんなラーメンが閉店時間を待たずに連日、完売するという店が金沢市にある。その名も「がんばる軒」。

連日完売のがんばる軒
連日完売のがんばる軒

午前11時にオープンすると客が途切れないほどの人気だ。

こだわりは本場、博多仕込みのスープ。仕込みに3日かかる手間暇かけた逸品だ。

こだわりのスープ
こだわりのスープ

客:
週1くらいで来てます。一口飲んだスープの味が病みつきになるというか。

客:
月に3回くらいは来ますね。九州・大分出身というのもあって本当の博多ラーメンですね懐かしいです。

こだわりのラーメン作りに密着してみた

九州出身の人も虜になる金沢の博多ラーメン店に密着した。

記者:
まだ午後3時前ですが、この日の営業は終わってしまったみたいです。

記者:
こんにちは
店主:
よろしくお願いします。

店主の長田強さん
店主の長田強さん

店主の長田強(おさだつよし)さん。金沢でラーメン専門店を開いて今年で10年目。正月以外はほぼ毎日、店を開いているという。

店主 長田強さん:
いつも営業が終わったらラーメンです。
記者:
週7ですか?
店主 長田強さん:
そうですね、毎日ラーメンです。
記者:
飽きないんですか?
店主 長田強さん:
飽きないですね、不思議ですよね。

記者:
毎日食べてると思えないくらいおいしそうに食べる
店主 長田強さん:
ありがとうございます。

こだわりのスープ作りに密着

昼食を終えて向かったのは店の奥…。

店主 長田強さん:
そしたらもう休むんで
記者:
ここが自宅?
店主 長田強さん:
ここでもう寝泊まりしています。

夕方に1度、店の奥にある部屋で仮眠、夜の仕込みに備える。

店主 長田強さん:
おはようございます。
記者:
寝られましたか?
店主 長田強さん:
ボチボチです。

記者:
これから何をするんですか?
店主 長田強さん:
今から熟成してあるスープ、翌日の営業で使うスープなんですけど、5時間に1回火を入れます。

長田さんによると寝かせることでスープが熟成されるそうだ。ただ一定の間隔で火を入れなければ劣化するため、約5時間に一度加熱が必要なんだとか。

記者:
(味は)どうですか?
店主 長田強さん:
うまいっす!

1時間ほど経ったところで火を止める。

記者:
これで火が止まった?
店主 長田強さん:
はい、次は12時45分ですね。

記者:
4時間半後くらい?
店主 長田強さん:
ですね、またのちほどよろしくお願いします。

再び寝床へ…深夜の仕込みに備える。

記者:
どれくらい寝ましたか?:
店主 長田強さん:
3時間くらいかな
記者:
いつもそれくらい?
店主 長田強さん:
大体こんな感じです。

スープを加熱している時間を使って、チャーシューや次のスープに使う豚骨の仕込みをする。

仕込みの音:
トン、カン、トン
店主 長田強さん:
大迷惑やね…。これは豚の頭。
記者:
骨は頭以外じゃダメ?
店主 長田強さん:
言って良いか分からないけど(頭の骨が)いちばん安い。九州だと面白いことに逆なんよ、骨の値段は、頭が一番高い。でも、北陸は頭が一番安い。だから頭使おうかなって。

地域によって部位の値段が違うそうだ
地域によって部位の値段が違うそうだ

仕込んだ豚骨は1時間ほどゆでて、しっかりとアクを抜いていく。

長田さんは福岡県出身。中学生の頃から「ラーメン屋」に憧れていたという。

高校卒業後、「節ちゃんラーメン」や「しばらく」など福岡の有名店で修業を重ね、37歳で独立、金沢でがんばる軒をオープンした。

記者:
どうして金沢に?
店主 長田強さん:
(福岡で)製麺所の社長と仲が良くて。その人の紹介みたいな感じで「金沢面白いんじゃない?」みたいな感じで、軽い感じです(笑)

時刻は午前3時。あくを抜いた豚骨を新たな鍋に入れ替え、いよいよスープづくりへ。

豚骨をゆでている間にチャーシューや…

煮卵…

辛子高菜など博多ラーメンに欠かせないトッピングの仕込みを進めていく。

麺や高菜はもちろん、ネギも福岡から取り寄せるこだわりようだ。

店主 長田強さん:
これがいいだろうって色々試して、一番バランスが良いものを使っている。ラーメンはバランス、バランスさえ良ければラーメンっておいしくできる。

ラーメンのおいしさのポイントはバランス
ラーメンのおいしさのポイントはバランス

こだわりのラーメンを作るため毎日、こんな生活を続けている長田さん。どうしてここまで情熱を注ぐことができるのだろうか?

店主 長田強さん:
自分の中じゃ頑張っているって意識はない、本当に自然。50歳近いけど、俺、全然白髪がない、あんまり苦労してないんだよ。
記者:
大変だと思ってない?
店主 長田強さん:
全然思わない、天職かなって思う。

スープづくりなどをしていると、外はもう明るくなっていた。午前11時の開店時間まであと少しだ。

記者:
いよいよ開店ですが体調はばっちりですか?
店主 長田強さん:
ばっちりです。
記者:
睡眠はあれだけ?
店主 長田強さん:
そやね、時間短いけど

この日も客足は途切れることなく、スープがなくなった。

金沢に本場の博多ラーメンを提供し続け約10年。長田さんは客が求める限り、こだわりのラーメンを提供し続けたいと話す。

店主 長田強さん:
体が動くうちは今みたいに楽しみながら仕事をして、もうずっとできたら一番幸せかなって。

(石川テレビ)