2014年、新潟県新発田市で当時20歳の女性を殺害した罪などに問われている男の裁判員裁判が11月7日結審した。検察側が死刑を求刑した一方、弁護側は無罪を主張している。被告本人も、「全く関係ない」として最後まで関与を否定した。

「死刑」を求刑した検察側 

検察側:
死刑に処するのが相当

検察側の求刑をうつむきながら聞いていた喜納尚吾被告(39)。

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喜納被告は2014年、通勤中の当時20歳の女性が運転する車に乗り込んで連れ去り、わいせつな行為をしたうえで殺害した罪に問われている。

裁判では、そもそも事件だったのかの「事件性」と喜納被告が犯人なのかどうかの「犯人性」が争われてきた。

論告で検察側は改めて、喜納被告の犯行による事件だと主張した。

検察側:
殺害した犯人は被告人です

事件性について、検察側は医師の証言などから「被害女性は顔面を水没させられるなどして溺死、または窒息死により殺害された」と主張。また、犯人性については…

検察側:
犯人として整合する行動をとっている。殺害現場に近接する場所にいた

被害女性の車からは、被害女性と喜納被告の混合DNAが検出。また、女性が行方不明になった日の朝、遺体発見現場方向から「喜納被告とみられる男が雪山を越えて歩いてきた」などの証言から「犯人は喜納被告である」と主張した。

この事件が発生する約5か月前から4人の女性に対し、わいせつ行為をしたほか、このうち1人を死亡させたことにより無期懲役判決が確定している喜納被告。二重に処罰することは法律上できないものの…

検察側:
犯行態様は危険で、被告人の性犯罪に対する規範意識は完全に欠如し、生命軽視の度合いは甚だしい

検察側はすでに判決が確定している4件の事件について考慮することは許されるとした上で、喜納被告に死刑を求刑した。

喜納被告は関与否定「全く関係していない」

一方の弁護側は…

弁護側:
喜納さんは無罪です

被害者が溺死したのは事故の可能性が高いと事件性を否定。また、目撃証言には不自然な点があることや混合DNAからは個人の特定ができず、「喜納被告が犯人と断定できる証拠はない」と無罪を訴えた。

最終陳述で証言台に立った喜納被告は…

喜納尚吾 被告:
私は全く関係していないし、分かることはありません

最後まで事件への関与を否定した。注目の判決は11月18日に言い渡される。

(NST新潟総合テレビ)

NST新潟総合テレビ
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