高級車レクサスの盗難事件。その手口は、新たな方法「CANインベーダー」によるものだとみられているが、対策はあるのか?

高度に電子化された高級車の盲点をついた窃盗手口

福岡市中央区の駐車場。この場所で1,200万円相当の高級車「レクサスLX」が盗まれた。現場近くにある防犯カメラの映像を確認すると、まず駐車場にシルバーのセダンが入って来る。中から降りて来た男は。

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目撃して通報した男性:
レクサスの左前がこじ開けられてて、普通の修理じゃないなと思って、なんか持ち主じゃないのかなって

犯人が駐車場に入ってからわずか3分後、施錠されていたはずの白いレクサスが動き出し、セダンとともに走り去った。犯人の姿は。

目撃して通報した男性:
格好が普通じゃなかったので、すぐに怪しいなと思いました。ドラマとかで見るような覆面の黒マスク。服も真っ黒です。全身、真っ黒

身長170cmほどで、黒ずくめの格好だったという。さらに。

目撃して通報した男性:
セダンは名古屋ナンバー。レクサスに2人乗っているのが見えて、もう1台、そこから、後ろからついていく車が見えたので、3人はいたんじゃないですかね、3人以上

警察は、男性が目撃した犯行の様子から「CANインベーダー」と呼ばれる新たな窃盗の手口の可能性が高いとみている。犯人は、特殊な機器で配線に接続し、車の電子制御システムに侵入。ロック解除やエンジンを始動する。高度に電子化された高級車の盲点をついた手口だ。

CANインベーダーに有効なセキュリティ製品

この「CANインベーダー」による犯行。車を盗難から防ごうとカーセキュリティ用品を扱う会社には問い合わせが増えているという。

カー用品専門店「デバイス」渡邉隆鋭代表:
問い合わせは、めちゃくちゃ増えています。レクサスが盗まれたということもあって「CANインベーダーに有効なセキュリティは何がオススメですか」って

問い合わせの多くは、レクサスやランドクルーザーなど高級車を所有する持ち主からの依頼。

カー用品専門店「デバイス」渡邉隆鋭代表:
これが「イグラアラーム」という製品。デジタルで制御しているので、本体もコンパクト。なおかつ隠せるというのが最大のメリットですね

「CANインベーダー」に有効とされるこの商品。アラーム機能が追加されたデジタルカーセキュリティだ。

カー用品専門店「デバイス」渡邉隆鋭代表:
カギをかけると同時に「ピュッ」って音で、セキュリティが入りました

車の持ち主ならセキュリティを解除する装置を持っているため、通常通りドアを開けることができるが、持っていない状態だとアラームが鳴る仕組みになっている。

さらに、エンジンをかけてみても…

カー用品専門店「デバイス」渡邉隆鋭代表:
シフトを動かした瞬間にエンジンが止まります。この状態になると、もうエンジンはかからない

この商品は、本体と取り付け費を合わせ19,8000円。現時点では「CANインベーダー」被害の報告はないという。

カー用品専門店「デバイス」渡邉隆鋭代表:
関東や関西の方は、セキュリティ意識が高いので、盗りにくい車の方が増えていると思いますが、地方に行けば行くほど防犯意識が薄いというか、その辺の防犯意識から変えていかないとどうしようもないかなと思います

一方、手頃な価格で購入できる盗難防止商品も数多く販売されている。

「スーパーオートバックス東福岡店」吉田徹フロア長:
こちらは物理的にハンドルをロックさせたりタイヤロックさせたりしてしまう、車を事実上動かせなくさせてしまうアイテム。敢えて車を現実的に動かなくする手法を取る方が増えてきています

福岡市内にカー用品店ではハンドルやタイヤが動かないように施錠をする商品がここ最近、売れている。

「スーパーオートバックス東福岡店」吉田徹フロア長:
いわゆる電気式に比べると、おそらくコストが低いんじゃないかと思うのと、犯人が、ハンドルが動かなくなっているのを見たときに抑止力みたいなものが働くんじゃないかと。そういうふうに思っているお客様が多いですね

比較的安く簡単に取り付けられることに加え「見える防犯」ともなり、購入している人が多いという。

「スーパーオートバックス東福岡店」吉田徹フロア長:
アナログのものに関していうと、そこまで価格が高いものではないので、特に長時間駐車するとか、そういった場合は予防するに越したことはないかと

次から次へと登場してくる車窃盗の新たな手口。被害に遭わないために、まずは防犯意識の向上が必要といえそうだ。

(テレビ西日本)

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