中国共産党の今後の重要方針などを決める党大会が開幕した。習近平国家主席は、大きな拍手で迎えられる中、共産党の象徴でもある赤いネクタイを着けて登場し、異例の3期目に向けて余裕すら感じられる表情を見せた。

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日本時間の午前11時すぎから始まった演説で習主席は、党大会のテーマについて、「中国の社会主義を高く掲げ、新時代の中国の特色ある社会思想を貫徹する」と強調した。

さらに、過去5年間の中国を振り返り、その中で、台湾問題に触れ「台湾独立勢力と外部勢力の台湾への干渉という深刻な挑発に対して、我々は国家主権と領土を守り台湾独立勢力に反対する、強い決意と能力を示した」とアピールした。

また、中国が推し進める厳格なゼロコロナ政策については、「人民の生命と健康を最大限に守ることができた」としたうえで、「経済発展との両立もできた」とその成果を強調。

一方で「新型コロナへの勝利宣言」はなく、今後、中国でゼロコロナ政策がいつまで続けられるのかは不透明な状況が続く。

今回の党大会では、69歳の習主席が68歳での定年や2期10年の任期という慣例を破り、異例の3期目として続投することが確実視されている。

また、共産党の党規約の改正で、習主席の権威をより一層高める内容が盛り込まれるとみられていて、その中で3期目が実現すれば、権力の集中を防ぐ集団指導体制が崩れ習主席個人への一極集中がより強まることにもつながる。

国際取材部
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