10月2日に行われた南米ブラジルの大統領選挙。1万7,000kmあまり離れた日本でも、在日ブラジル人が一票を投じた。
実はその投票所、富山県の高岡市にも設置されていた。

投票義務のある有権者は北陸3県で1,500人

2日朝。高岡市にある人材派遣会社の前には、長い行列ができていた。北陸地域に住むブラジル人で、その目的はブラジル大統領選の投票だ。

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在名古屋ブラジル総領事館 副総領事:
候補者の番号以外を入力すると、無効になるので気をつけて

ブラジルと12時間の時差のある日本では、本国よりも早く投票が始まった。
今回の大統領選には11人が立候補したが、事実上、現職で右派のボルソナロ大統領と左派のルラ元大統領の一騎打ちとみられ、注目度の高い選挙となった。
投票義務のある有権者は18歳から70歳で、在名古屋ブラジル総領事館によると、北陸3県では1,500人が対象。(16、17歳、70歳以上は投票の権利はあるが任意)

ブラジル人にとって、選挙は国民の義務。罰則もあり、違反するとパスポートの申請ができなくなることにつながる。

高岡市で投票所として場所を提供したブラジル人、湯川人材サービスの湯川社長も、投票所のスタッフとして選挙を支えていた。

湯川人材サービス 湯川ルシレーネ社長:
好きな(候補の)番号を押して、緑色のボタンを

投票は電子投票で行われる。あらかじめ候補者に番号がふられていて、番号を入力すると候補者の顔写真が示され、間違いがなかったら確認ボタンを押すという仕組みだ。

湯川人材サービス 湯川ルシレーネ社長:
今回は初めての人が多い。日本で生まれて、ポルトガル語を話せない人も多い

高岡の会場では2つの機械で投票が行われる予定だったが、1つが故障し、投票用紙を使っての投票も行われた。

小矢部市在住のブラジル人:
わたしたちにとっては(選挙は)お祭りみたいで、昔からの友人に会えたり。また、今回はブラジルを変えるために大統領を決めるので、とても大切な選挙になる

ブラジルの味が楽しめる屋台も

湯川社長は、投票のために遠くから来る人も多く、久しぶりに会う人たちとも語り合えるように、故郷ブラジルの味が楽しめる店も用意していた。
牛バラ肉を使ったサンドイッチや豚バラのスペアリブなど、ボリューム満点だ。

日本の選挙とは違う、高岡では和やかな雰囲気で行われたブラジル大統領選挙の投票。
今回はどの候補も過半数には届かず、10月30日に上位2人の候補の決選投票が行われることになっている。

高岡市での投票所開設は12年前から行われているが、それまでは名古屋で行われ、泊りがけで行った人もいたという。

(富山テレビ)

富山テレビ
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