血液のがんによる闘病生活を送ったフリーアナウンサーの笠井信輔さんが、献血の大切さを看護学校の学生たちに伝えた。

「薬では治らない頭痛」が輸血で治る

フリーアナウンサー・笠井信輔さん:
輸血ってすごいと思った。入れてるところから、どんどん体が温まってきて。正直言って、ドラキュラの気持ちがわかった

9月30日、高知市の近森病院附属看護学校で行われた講演会には、学生130人が参加した。

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フリーアナウンサーの笠井信輔さんは2019年、血液のがん「悪性リンパ腫」であることが判明し、4カ月半の入院生活を送った。

治療中、抗がん剤の影響で血液がダメージを受け、脳に十分な酸素が回らなくなった。
激しい頭痛に襲われ、輸血を受けることになったという。

フリーアナウンサー・笠井信輔さん:
(輸血で)どんどん頭痛が治まるのと同時に、エネルギーをもらっているような、今までにない活力をもらっているような

笠井さんは、珍しい血液型「Rhマイナス」であったのに加え、コロナ禍の外出自粛で献血に協力する人が減ったことで、すぐには輸血を受けられなかったという。

フリーアナウンサー・笠井信輔さん:
本当にありがたかったです。献血してくれた方の善意によって、輸血を受けることができて。わたしは(健康な)ヘモグロビンと血小板を自分の中に足すことができて頭痛も治った。薬では治らない頭痛は、輸血では治る

笠井さんを支えたのは22人の看護師

がんの治療中は抗がん剤の影響で脱毛したり、手足のしびれがあったという。

フリーアナウンサー・笠井信輔さん:
非常に厳しい入院生活でありました。死ぬんだなと死を覚悟したときもありました。だんだん薬が効き始めて、「いけるかな、でも…」という中で、わたしを支えてくれたのは22人の看護師の皆さんでした。本当にいい人ばかりだった。自分がくじけそうなときに寄り添ってくれて、支えてくれて。あまりにもみんないい人だったから、退院するときに全員と写真を撮りました

学生たちに、患者の気持ちに寄り添った看護師になってくださいと語りかけ、期待を寄せていた。

2年生:
授業で言われている看護の役割とか、(患者と)どういう関わりをしたらいいのかをすごい学べたと思います。強みになるお話を聞けたと思います

高知県赤十字血液センターによると、少子化や新型コロナの影響で、献血をする10代から30代の若い世代の数が10年間で半減しているという。

フリーアナウンサー・笠井信輔さん:
輸血は、献血からしか作ることができないので、人工的にできません。わたしの頭痛は輸血をしないと治らない、抗がん剤による頭痛でしたから、皆さんの献血によって救われました。
ぜひ機会がありましたら、献血ルームをお訪ねください。無料でジュースも飲めますし、漫画も読めますし、漫画喫茶の代わりにもなりますから、お気軽に献血ルームにお立ち寄りください。みなさんの善意、お待ちしております

高知市本町の献血ルーム「ハートピアやまもも」では、毎日午前9時半から午後5時半まで献血を受けつけている。

(高知さんさんテレビ)

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