「自分で油をかぶり火をつけた」

9月21日、午前8時前の東京・千代田区。
首相官邸にほど近い路上には多くの捜査員が集まり、騒然としていた。

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午前7時前、中央分離帯の植え込みで、70代くらいの男性が自分の服に火をつけ、焼身自殺を図ったとみられている。
現場には黒く焦げたブルーシートのようなものも落ちていた。

男性は「私個人は国葬には断固反対」と書かれた手書きの文書を持っており、重傷だが意識はあり「自分で油をかぶり火をつけた」と話しているという。

火をつけた現場は、国会議事堂や首相官邸の目と鼻の先。
27日の国葬に向け、警察が警備を強化する中起きた焼身自殺未遂だった。

参列者が6000人にのぼるとみられる中、警備に問題はないのだろうか。
警察庁の露木長官は21日、会場となる日本武道館周辺を視察した。

こうした中、安倍元首相が存命であれば68回目の誕生日となった9月21日、渋谷駅前では国葬に反対する抗議デモが行われていた。

村上議員「国葬欠席」で“身内”が反旗?

“国葬反対”の世論が強まる中、身内である自民党内でも様々な意見が出始めている。

浜田防衛相:
まだその意味では説明が足りていないということだと思います。


岸田内閣の現役閣僚である浜田防衛相は、国葬について「国民の理解が広がっていない」との指摘に対し「政府の説明が足りていない」との認識を示した。


さらに21日、元行革相の村上誠一郎議員が「国葬を欠席する」と明らかにした。
自民党の国会議員が国葬への欠席を表明したのは初めてのこととなる。

アベノミクスなど安倍元首相の政策に反発し、批判的な言動を繰り返していた村上議員。
村上議員は20日「安倍元総理は国賊」などと発言したと、一部で報道されている。

FNNの取材に対し、村上議員は「なんでこんな報道になっているのか分からない、記憶にない」と述べ、“国賊発言”があったかなかったかについては明言しなかった。

また、国葬欠席について、村上議員は「反対が多い中なぜ強行するのか、安倍氏の名誉になるのかどうか」とコメント。
開催が迫る国葬をめぐって、政府与党内に波紋が広がっている。

加藤綾子キャスター:
出席するしないは個人に委ねられると思うんですけれども、出欠をめぐって議論になるというのを見ていると「国葬って何なんだろう」って思ってしまうんですが。

ただ、村上さんにありました、自民党内にいてこのタイミングであえて欠席、それから反対を表明するとなると、何か狙いがあるのかなとも思ってしまうんですが。

住田裕子弁護士:
そうですね、自民党は懐の深い政党ですから、いろんな意見があっていいと思いますしね。
村上議員は元大臣でもありますけれども、一匹狼的で結構放言癖があるので、これでなだれを打つことはないと思うんですけど、何でこのタイミングかってことですよ。

それだったら政治家として矜持を持って、以前から国葬やなんかについていろんなことを言えばいいんですけど、世論がこういう反対票が増えたっていうことで、それにおもねっているのかなって。
そういう意味でいくと、感情に走らずに、冷静に論理的に、常日頃から言動をちゃんとやってほしいなと思いますよね。

(「イット!」9月21日放送分より)