高まる健康思考や環境問題への関心などを背景に、近年注目されているのが、代替肉の大豆ミートだ。この大豆ミートを使った料理の開発に取り組む、老舗洋食店を取材した。
老舗洋食店が作る“大豆ミート”料理 気になるその味は?
新潟市中央区にある、創業99年の老舗洋食店「ピーア軒」。
ピーア軒 営業統括部長 廣田辰巳マネージャー:
お待たせいたしました。「W(ダブル)ロールキャベツ」です
提供されたのは、おいしそうな2つのロールキャベツ。中に入っていたのは…

ピーア軒 営業統括部長 廣田辰巳マネージャー:
左側のロールキャベツが合い挽き肉を使ったロールキャベツで、右側が“大豆ミート”を使ったロールキャベツ

大豆から作られた代替肉、いわゆる“大豆ミート”だ。肉に比べて低脂質・高タンパク質で、健康的だとして人気が高まっている。

また、ウシなどを飼育する際には飼料に多くの資源が使われるなどの課題があるが、一方で代替肉は、環境面への負荷が少ない点も注目されている。
実際に食べてみると…

記者:
おいしくて、噛むとすごくジューシーです。パサパサした感じや大豆の臭みなどは、全くありません。弾力もしっかりとあって、通常の肉と同じようにおいしくいただけます
「大豆ミート広めたい」 メニュー開発に苦労も“老舗の技術”で解決!
老舗洋食店が、なぜ代替肉のメニューを考案したのだろうか?

ピーア軒 営業統括部長 廣田辰巳マネージャー:
印象として「肉に比べたら、まず間違いなく大豆ミートのほうがおいしくないだろうな」と、失敗したくないので肉のほうを選んでしまう。そこの問題点を、うちの店でなんとか解決できないかなと思い、取り組むことにした
しかし、ここまでたどり着くには苦労もあったと言う。

ピーア軒 営業統括部長 廣田辰巳マネージャー:
大豆そのものが、火を加えても固まらないというか、バラバラのままで。最初は片栗粉とか小麦粉の分量を変えたり、入れるタイミングを変えたりしてみたが、なかなかうまくいかなかった
2022年6月ごろから大豆ミートの調理法を模索。本来は7月から8月ごろにかけて実施する「夏のフェア」で料理を提供しようと計画していたが、完成までに時間がかかり、秋にずれこんだ。

試行錯誤する中、米粉を“つなぎ”に利用したところ、おいしく仕上がったと言う。さらに長年引き継がれてきたデミグラスソースなども生かすことで、過剰な油や味付けをすることなく、肉料理に近づけることができた。
料理はロールキャベツのほか、ドリアやハンバーグなど4種類。9月12日から期間限定で提供されている。

店側は、年配の常連客も多い中、老舗だからこそなせる料理の技術で、新たな視点を持つきっかけになればと期待を寄せる。

ピーア軒 営業統括部長 廣田辰巳マネージャー:
“SDGs”や“ヘルシー”というところはなかなか難しい話だが、まずはうちで「大豆ミートってこんなにおいしいんだ」と思っていただいて、一般の家庭でも「じゃあ使ってみようかな」と、少しずつ広まっていけばうれしい
おいしい料理を味わいながら、健康や環境問題についても考えてみてはいかがだろうか。
(NST新潟総合テレビ)