テレビ愛媛が取材した松山市の住宅街で問題になっているムクドリの大群。あの大群が突然、姿を消した。どこに行ったのか…。

ムクドリを追い払ったのはある“道具”だった。

電線を埋めるムクドリの大群…追い払う手は

鈴木瑠梨アナウンサー:
ムクドリの大群が一気に電線に集まり始めました。うわぁ、次々にやってきます

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松山市天山の大型商業施設の近くにある交差点。

毎日夕方になると電線をびっしり埋め尽くすほどムクドリの大群が押し寄せ、住民はフンや羽根、そして甲高い鳴き声に悩まされている。

ムクドリの襲来はここ3年ほど毎年春から年末にかけて続いている。

近くでから揚げ店を営む日野忠司さん:
本当に困っとる。何とかしてもらいたい

テレビ愛媛がこの問題を放送した9月2日から約1週間。

鈴木瑠梨アナウンサー:
午後6時半になりましたが、ムクドリ1羽も見当たりません。1週間前は数えきれない数のムクドリがいたんですが、完全にいなくなりました

こつぜんと姿を消したムクドリ。一体なぜ?

近くでから揚げ店を営む日野忠司さん:
半信半疑だったんですが、これ「拍子木」

“魔法の拍子木”でムクドリをゼロに

前週の放送でも「導入したい」と紹介していた拍子木を使って、ムクドリたちを追い払ったという。

近くでから揚げ店を営む日野忠司さん:
私たちみんな“魔法の拍子木”と呼んでるんやけど、これを叩くことによって、今まで2・3年悩んできたんが何だったんだっていうくらいに、びっくりするくらいいなくなって、今ゼロです

専門家によると、ムクドリは拍子木の高い音が嫌いだということで、地元の住民ら10人ほどが松山市などから借りた拍子木を叩いて音を鳴らした。

すると、鳴らし始めて3日で大群は全くやって来なくなったという。

近くでから揚げ店を営む日野忠司さん:
ムクドリがいなくなって、この朝生田地区でも「夜ってこんな静かなんだな」というのを再認識したというか、改めて思いました

住民たちにようやく安心して眠れる夜が訪れた。

でも、あのムクドリたちはどこに行ったのだろうか。国道33号線を南に走ってみると...。

鈴木瑠梨アナウンサー:
聞こえますか?ムクドリの声、聞こえてきます。ものすごい鳴き声が聞こえてきました。近づいてみると、見てください。街路樹にたくさんのムクドリがとまっています

先ほどの天山の交差点から1kmほど南、道路沿いにある街路樹にムクドリの大群が。

近所の人:
2月はずっとおる。車に羽根がついていたり、ほこりとかがついてるので。あとフンがいっぱい落ちてるんで

こちらの群れは数カ月前からいるということで、天山からいなくなった群れとは違うようだが、松山市によると、市内では他にも複数の場所でムクドリの大群が確認されているという。

天山のムクドリも、また別の場所に移動して新たな被害が出ているかもしれない。

日本野鳥の会愛媛・山本貴仁さん:
その場所からはいなくなったとしても、街の中の同じような環境の所にまた集まってしまうということを繰り返す例がほとんどだと思います

終わらない人間とムクドリのいたちごっこ、根本的な解決策はないのだろうか。

(テレビ愛媛)

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