夏の夜の楽しみといえば「肝試し」。夏休みも終盤となった8月26日の夜、愛媛・伊予市双海町で、閉校した校舎を使った本格的な肝試し大会が行われた。
地元の子どもたちが初めて企画したこのイベント。夏の夜の思い出は想像以上に怖い。
“町を盛り上げたい”肝試しで地域を活性化
案内人：
閉校から12年。下灘中学校は活気に飢えております。皆さま、無事に帰ることができるでしょうか
真っ暗な校舎に響き渡る悲鳴。8月26日金曜日の夜、伊予市双海町で肝試し大会が行われた。思わず泣き出す参加者もいるほど、怖～い仕掛けの数々。アイデアを出したのは地元の子どもたち。舞台となったのは、12年前に閉校した旧下灘中学校の校舎。閉校後、教室は今も一般に貸し出されているが、利用者は少ないそうだ。
双海町ジュニアリーダー会・二宮莉穂代表：
私たちは中学生以上の学生で、自分たちで何か双海町を活性化できるような活動をしているのですが。（旧）伊予市で肝試しをされている方がいたので、それで私たちも同じように肝試しをして盛り上げられたらなと思い計画しました
双海町ジュニアリーダー会 創設メンバー・宇津博美さん：
地域の方が来てくださるということは、当然私のように、この中学校を卒業した方たちも来てくれるんじゃないかなと思うので、ぜひ、この中学校があった時のことも思い出しながら、それと今、双海中学校に通っている子どもたちと関わりながら、楽しい時間を過ごしてほしいなと思います
企画したのは地元の中学・高校・大学生で作る「双海町ジュニアリーダー会」。参加者には校舎の2階から4階を回り、各教室に置かれた9枚のお札を集めてもらう。
双海町ジュニアリーダー会のメンバー：
ここ開けて、ガタガタさせる
（Q.マネキンの首はどこから？）
双海町ジュニアリーダー会のメンバー：
お父さんとお母さんが散髪屋やっていて、練習に使っていたのが何個かあったので持ってきました
（Q.どうやって怖がらせる？）
双海町ジュニアリーダー会のメンバー：
窓をたたいたりする
音楽室のメトロノームを止めると…
双海町ジュニアリーダー会のメンバー：
わあ！みたいな感じで飛び出してきます
約1カ月をかけて、計画を練り上げた肝試し大会。準備は万端だ。
「怖い無理！」…忘れられない夏の夜の思い出に
午後7時過ぎ。
日が沈んだ山あいの校舎には、イベントを楽しみにしていた地元の人たちが続々と集まってきた。
受け付け担当の中学生：
各部屋にこういうお札があるので、このお札を各部屋ごとに取ってきてください
参加者：
初めてじゃきん、どんなんか（孫が）見に行きたい、いうんで
旧下灘中学校の卒業生：
私たちにとっては懐かしい思い出深い校舎をいろいろ考えてもらって、こういう形で再利用してもらって、こうやって改めて足を運ぶことができるのは、とてもうれしいことかなとは思います
（Q.“肝試し”怖くない？）
参加の子ども：
こわくなーい
参加の子ども：
こわくないよ
案内スタッフ：
資料室というお部屋と美術室という2つのお部屋で、お札を一枚ずつ取ってきて。何というお部屋だった？資料室、美術室。こっちが資料室ね、あっちが美術室。はい、いってらっしゃい
参加の子ども：
怖い、無理。怖い、無理
恐怖のあまり、泣き出す子どもも…
参加の子ども：
いやだ、行かん！ママがいい！マーマ、マーマ、いやだー！
（Q.どうだった？）
参加の子ども：
（泣きながら）怖かった
父親：
楽しかったです。ちょっと刺激が強すぎたな。きょうは多分ひとりで寝れんね
参加者：
面白かったし、怖かったところもありました
（Q.お札は全部とれた？）
はい、とれました
参加者：
生徒会室の白の骸骨みたいなやつが、めっちゃ幽霊っぽくって怖かったです。心臓飛び出そうだった
参加者：
楽しかったけど、めっちゃこわいー！
（Q.もう一回行ける？）
参加者：
いやだ！
参加者：
楽しかったです。ちょっと怖かった
参加者：
転勤でこっちに来たんですよ。こっちの子どもたち、みんな、こういうのをよく考えてて。今回の企画も地元の中学生の子が中心にやったって聞いて、本当にすごいなって感心して。こっちに引っ越してきて、よかったねって
この日の参加者は19組67人。子どもたちが思っていた以上に、たくさんの人たちが肝試しを楽しんだ。
双海町ジュニアリーダー会・二宮莉穂代表：
（参加者は）想定より多くて、正直びっくりしたんですけど、たくさんの人に来てもらってうれしかったです。一生懸命計画してきたことが、こうやって成功したなって思えたので、続けていきたいですね、肝試しじゃなくても、例えば来年別のことをしたりだとして、こうやって双海を活性化させていきたいなって思っています
大成功となった肝試し大会。参加した地元の人たちにも、企画した子どもたちにも、忘れられない夏の夜の思い出になったようだ。
（テレビ愛媛）
