子どもたちに笑顔を…「地蔵盆」復活への思い

お地蔵さんを供養して、子どもの成長を願うお祭り「地蔵盆」。関西の夏の風物詩だ。
大阪市北区豊崎の町に3年ぶりに帰ってきた。

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地蔵さんを管理するのは、この街で歯科医院を営む木村康裕さん(68)。
祖父の代から引き継いで3代目になる。

木村康裕さん:
祖父が太平洋戦争の戦後、焼け野原になった自宅の近くでお地蔵さんが埋まっていて、それを掘り起こして、お祀りしたのが初めなんです。前々から準備して一生懸命やっていた姿を見ているので、私もしないといけないなという思いでやっています

伝統を継続する責任を感じて、地蔵盆を守り続けてきた。
ところが、2年前。新型コロナの影響で地蔵盆から子供たちの姿が消えた。行われたのはお地蔵さんの供養だけ。

木村康裕さん:
80年で初めてです、この形は。残念ですけど、仕方ないですね

80年の伝統が途切れてしまった。

木村康裕さん:
こんなん僕一人でできるから。ありがとう。全然大丈夫。気にせんといて

そして迎えた2022年は、3年ぶりに制限のない夏。
2022年の「地蔵盆」は、子供たちを迎えて行うことが決まった。

灯には子どもの名前を入れて、健やかな成長を祈る。

木村康裕さん:
やっぱり提灯いいですね。華やかで明るくて。子供の顔が浮かんできますよ。知っている子の提灯見たらね。子供の笑顔観る機会がなかったですもんね。みんなマスクしてるしね。笑顔がなかったなぁ

一度は途切れた伝統が復活した。

訪れた人:
前みたいな地蔵盆やなあって思います

訪れた人:
懐かしい友達にも会えて、なくてはならないようなお祭りです

木村康裕さん:
最高ですね、やっぱり子供の笑顔っていうのは。元気くれますよね。本当に嬉しいです。やってよかった

子どもたち:
お地蔵さんありがとう

時代を超えて、子どもたちを見守ってきた地蔵盆。
また次の時代へ受け継がれていく。

(関西テレビ「報道ランナー」8月30日放送)

関西テレビ
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