姫梛ちゃんが死亡したのは今月2日。その日の夕方、長沢容疑者は、煌翔ちゃんに対する保護責任者遺棄の疑いで逮捕された。翌3日午前、神奈川県が記者会見を開いた。長沢容疑者が、事件前にも、子どもを”車内放置”していたことが分かり、児童相談所の対応などについて説明の場を設けたのだ。
事件前にも”車内放置” 警察官から注意
神奈川県によると、長沢容疑者は、5月30日から、子ども2人とともに、自分の母親宅に身を寄せていたとのこと。夫との離婚を機に、実家に戻ったそうだ。7月8日夕方、この4人で、寒川町の”100均”ショップに、買い物に出かけたという。
その際、寝ていた煌翔ちゃんを車に残して、3人だけで店内に向かったとのこと。すると、目覚めた煌翔ちゃんが、車の中で泣き始めた。その様子を通行人が目撃。県警に通報したところ、偶然、パトカーが付近を通りかかったという。

夏場の、子どもの”車内放置”は、命の危険につながる恐れがある。警察官の要請により、店内には、車の運転手を”探す”アナウンスが流されたという。結局、長沢容疑者は、店員に声を掛けられて、我が子のもとに戻ったとのこと。
車を離れてから5~10分程度だったという。しかし警察官からは、その場で、厳重な注意を受けることになった。この”車内放置”事案を扱った茅ヶ崎署は、「ネグレクト(育児放棄・怠慢)」に当たると判断し、6日後の7月14、児童相談所に通告した。
「虐待だと理解。二度としません」と誓ったが
その際、長沢容疑者は「虐待だと理解しています。二度としません」と話したという。しかし、”反省”の言葉もむなしく、長沢容疑者は、再び、猛烈な暑さの車の中に、我が子2人を放置してしまう。児相通告から、わずか2週間後のことだった。
今後の捜査だが、ポイントは2つ。厚木署は、車内放置と死亡との因果関係を調べる方針だ。現在は、保護責任者遺棄容疑だが、因果関係が認定されれば、保護責任者遺棄”致死”容疑で立件することになる。

さらに、事件当日の”行動”の裏付け捜査も重要だ。1時間の”車内放置”で、子ども2人が命を落とすのかどうか。長沢容疑者と知人男性との”関係”は分かっていない。男性は、長沢容疑者が”子持ち”だったことを知らなかったという。厚木署は、男性からも詳しく事情を聴く見通しだ。
逮捕直後、厚木署から、女性用の留置場がある小田原署に移送された長沢容疑者。カメラの前では、あっけらかんとした表情を見せた。翌日、送検された際は、一転して、疲れ切った様子だった。今は、「子どもに申し訳ないことをした」などと話しているという。