7月27日、最高気温33.6℃となった東京。今後も熱中症に警戒が必要だ。こまめな水分補給に加えて保冷剤などで体を冷やすことも重要だが、意外な場所を冷やすと効果的だという。

握って手のひらを冷やす便利グッズ

茨城県つくば市の小学校。気温32.4℃となった18日、体育館でバレーボールチームの練習が行われていた。

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熱中症対策のため、こちらのチームでは15分に1回、休憩を入れて水分補給。さらに子どもたちをよく見てみると、手に青くて四角いものを握っている。

これは「アイスバッテリー」と呼ばれる保冷剤(税込み2500円)。これを握ることで手のひらを冷やしているのだ。

その効果についてチームのメンバーに聞くと、「暑いときでも、手で冷えたものが体まで冷えた感じがして涼しく感じる」と話していた。

実は、手のひらには体温を効果的に下げる機能がある。

神戸女子大学 平田耕造名誉教授:
手のひらとか指の手のひら側、こういう部分を冷やしていただくと、たくさん血液を運び出してくれる

その秘密は、手のひらにある特別な血管「AVA血管」にある。この血管、普段は閉じていて活躍しない。

ところが体温が高くなると開通し、大量の血液を流す。そうすることで熱を逃がし、冷たくなった血液が体に戻っていくため、体温調節専門の血管として活躍するのだ。

大量の血液を流して熱を逃がし、冷たくなった血液が体に戻る
大量の血液を流して熱を逃がし、冷たくなった血液が体に戻る

では、冷たい保冷剤を握るのは効果的なのだろうか?実は、氷のように冷たすぎると、体温調節をする血管が収縮して閉じてしまう。このため、15℃前後の保冷剤などで冷やすのが効果的。

小学校の練習で使われていたアイスバッテリーは冷たくなり過ぎず、15℃前後の冷たさが1~2時間持続する。この保冷剤は熱中症対策として、全国の小中学校に無償でレンタルする取り組みも行われている。

「手のひら冷却」を練習で導入しているバレーボールチームの監督は…。

赤木貴雅監督:
以前は暑い日は、1人や2人「気持ち悪い」という子がでたり、熱けいれんを起こしてしまう子どももいたが、今は全くいなくなりました

体温調節をする特別な血管は、手のひらだけでなく足の裏にもある。

足を水につけて、夕涼みを体験するイベントに来ていた人は、「待っている間すごく暑かったですが、足がつかるだけでも全身涼しくなるような感じがしますね」と話していた。

(「イット!」7月27日放送より)