ウクライナから愛知県に避難してきた小学6年生のマリヤ・ボイコさん。7月18日に春日井市で行われたイリュージョンショーに挑戦した舞台ウラを取材した。
練習は前日夕方まで…母国でもやらなかったことに日本でチャレンジ
オリの中から突然女性が登場…。さらに、横たわる女性の胴体と下半身が真っ二つに…。
この記事の画像(12枚)驚きのイリュージョンを披露するのは、春日井市在住の日本を代表するマジシャン・田中大貴さん(34)。
ウクライナ避難民のマリヤ・ボイコさん(12):
びっくりした!想像がつかないほどのスケールの大きさに驚いた
その田中さんに弟子入りすることになったのが、ウクライナ人のマリヤ・ボイコさん(12)。
戦争が始まった直後の2022年3月、親戚を頼って母親らと大府市に避難してきた。
マリヤ・ボイコさん:
みんな悲しんでいる。人が死んでしまうことが心からつらい
終わりの見えない戦争への不安を、ひとときでも忘れさせてくれたのが、日本で見た田中さんのショー。親戚が出ていた縁で、マリヤさん自ら「出演したい」と申し出た。
マジシャンの田中大貴さん:
興味を持ってくれて、うれしかったですね。母国でもやらなかった新しいことに、日本にこういう状況で来てチャレンジしてもらえるということ、マジック好きになってもらえるというのはすごくうれしい
マリヤさんが務めるのは、ショーの成功を左右するアシスタントの仕事。動きを覚えるための練習は3か月間に及び、リハーサルは前日の夕方までみっちり続いた。
マリヤ・ボイコさん:
すごく緊張してる。「明日本番」と言われると、もっと緊張しちゃう
7月18日、ついに迎えたマリヤさんの初舞台。大府市で避難生活をしているウクライナの人たちも招待され、会場は1000人を超える観客で満席に…。
早速マリヤさんの登場シーン。誰もいない透明の箱から…次の瞬間マリヤさんが現れた。
大舞台で堂々と演技するマリヤさん。次はとっておきの見せ場だ。
田中さんのマジックで、横向きにしたマリヤさんの体がカチカチに…。支えがないはずの体が宙に浮かんだ。見事に演じきり、観客は大歓声。
観客の中にいたウクライナ人の男の子もショーに参加し、2時間を超えるステージは大成功。
ウクライナの人たちも喜んでくれた。
招待されたウクライナから避難した人:
ステージでウクライナ人を見たら、本当にうれしいと思いました。本当によかった、本当に感謝したいです
マリヤ・ボイコさん:
すごく不思議な気分。とても緊張したけど、上手くできてよかった
初舞台を笑顔で終えたマリヤさん。今後も舞台に立ってハッピーな時間を届けていきたいと話している。
(東海テレビ)