岡山市の岡山操山高校で、野球部の生徒が監督から𠮟責(しっせき)を受けたあと、自殺してから7月25日で10年になる。
岡山県教委は責任を認め、2022年春に遺族に対面で謝罪し、再発防止策の策定が進められている。遺族の思いを取材した。

練習中の激しい叱責 数時間後に…

亡くなった生徒の父親:
ビールを持って来た。生きていたら今26歳なので、一緒にお酒を飲んだりしていたんだろうなと

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命日を前に、墓の前で手を合わせる父親。
亡くなった男子生徒はまじめで、家族思いの子だったと話す。

亡くなった生徒の父親:
親の気持ちをいつも考えてくれる子だった。10年たっても、きのうのことのように毎日思い出す

小さい頃から野球が大好きだったという男子生徒は、高校で、野球部の監督から体罰や叱責を受けるようになり、精神的に追い詰められていった。
亡くなる当日には、監督から「声を出せ。出さなかったら存在価値はない」などと炎天下のグラウンドで激しい叱責を受けていて、その数時間後に自殺した。

自死から10年…2022年3月に正式な謝罪

当初、自殺の原因は学校から明らかにされず、遺族は第三者委員会による調査を再三求めていた。

第三者委員会の報告:
最後の叱責がなければ、自死はなかったという点で因果関係はある

そして自殺から9年以上が過ぎた2021年、県教委は自殺の原因が監督の叱責にあったという第三者委員会の報告内容を認め、当時の監督を停職3カ月の懲戒処分とし、2022年3月に遺族に正式に謝罪した。

現在は、再発防止策について県教委と話し合いを進めている。

亡くなった生徒の父親:
死んだことが無駄にならないような報告ができたら良かったが、まだ道半ばなので、ちょっと待ってねという話をした

“マニュアル作り”では限界 再発防止に「抜本的な対策を」

この日、生徒の父親はあるオンライン会議に出席していた。
部活動の指導が、子どもの自殺につながるリスクについて考えるシンポジウムだ。

全国の遺族と情報共有する中で、再発防止策は月並みの内容では意味がないと痛感したという。

亡くなった生徒の父親:
どのご遺族も苦しんでいるのが手に取るようにわかる。今までのマニュアル作りのような対応では、限界にきているのでは

男性は、生徒が体罰やハラスメントへの知識を持てるように、映像を使ってより視覚的に教えることや、再発防止策の策定は事情を熟知した第三者委員会に協力を仰ぐことなどを県教委に求めている。

亡くなった生徒の父親:
自死に至らないまでも、心の傷を負った人がいても、そういう人たちの我慢で表面化しないことが多い。これまでなかったような、抜本的な対策を講じてもらうことを強く願っている

(岡山放送)

記事 1220 岡山放送

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