7月に国内で初めて確認された「ケンタウロス」と呼ばれるオミクロン株の新たな変異株である「BA.2.75」。その感染力は「従来のオミクロン株の3倍」と言われています。

新たな亜種はいったいどのようなものなのでしょうか?

オミクロン株の亜種『ケンタウロス』国内初確認

「ケンタウロス」は、「BA.2」系統から変異した75番目の亜種です。

これまでも、「BA.2」系統の亜種はありましたが、誕生しては消えていました。その中で「BA.2.75」は生き残り、今、感染が拡大しているということです。

SNSや医師の間では、「ケンタウロス」とも呼ばれています。

また、長崎大学病院の森内浩幸教授によると、過去の変異株と比べてあまりに異質であることから「半人半獣のケンタウロス」と表現されているといいます。

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では、この「BA.2.75」とはどのようなものなのか、詳細を見ていきます。

強い感染力「BA.5」の3倍か

米・感染症専門の教授の研究によると、「BA.2.75」の感染力は、「BA.5」の3.24倍という研究結果が出ています。

2022年6月インドで初感染報告があり、その後、アメリカ、イギリス、オーストラリア、韓国など世界各国でも感染が確認されています。

そして、日本国内では7月8日に神戸市で1人、19日に大阪府で2人、21日に東京都で2人感染が確認されています。

通称「ケンタウロス」と呼ばれている新たな亜種ですが、この研究は進んでいるのでしょうか?

長崎大学病院 森内浩幸教授:
まだ十分とは言えないと思います。確かにインドでは、感染力が3倍、すごい勢いで広がるということですが、他の国でその感染力が確認されたというわけではないです。それから、免疫から逃れる力、重症度、そういったものについてはこれから明らかになってくるだろうと思います

――今、「BA.5」が広がっている中、さらに「BA.2.75」に置き換わっていく可能性はあるのでしょうか?

長崎大学病院 森内浩幸教授:
インドの感染力が事実であれば、置き換わっていく可能性が高いと思います。もし3倍という勢い、今は倍加時間、人から人へと広がるのが2日間隔ということになります。ということは、2日ごとに相手よりも3倍の勢いで増えますので、一週間で30倍ぐらいの勢いで増えるということです。ですので、いるな?と思ったらあっという間に置き換わるぐらいのスピード感だと思います

感染力が高いとなると、感染者の増加というのが気になるポイントです。

24日、全国の新型コロナウイルス感染者は17万6577人となり、日曜日としては過去最多を記録しています。

では、今後感染がどのようになっていくのか、名古屋工業大学・平田晃正教授らのグループのAIを使用した新規感染者数の推移を見ていきます。

専門家「ピークの山がさらに大きくなる可能性」

「BA.5」の感染力が1.3倍、ワクチンによる感染予防効果が7割に低下した状況の東京の1週間平均値によると、ピークが7月27日となり、1日あたり約2万人という推定が出されました。しかし、24日時点ですでに1日あたり、2万4543人となり、推定を超える結果になっています。

そして、今後「BA.2.75」が流行するとどうなるか、森内教授によると、「ピークの山がさらに大きくなる可能性」もあるといいます。

――「ケンタウロス」の影響はいつ頃から出てくる?

長崎大学病院 森内浩幸教授:
それはまだわからないです。今、実態がよくわかっていないです。遺伝子検査をもっとしっかりやって、特にどういう地域でどのぐらい置き換わっているのか、それがわからないうちは、予測を立てるのは難しいと思います

――症状等もわかっていない?

長崎大学病院 森内浩幸教授:
それもまだわかっていません。限定的な情報では、特にこれまでと大きな変化はないだろうと思いますが、病気の強さや性質はある程度遺伝的な背景や人種の違いを反映することもありますので、もう少しデータが出るまでは、何とも言えない、わかるまでは油断をしないということだと思います

(めざまし8 7月25日放送より)