まるで人間のように温泉につかるカピバラたち、その姿に魅せられ、カピバラ中心の生活をしている男性がいる。自称「カピバラ探検家」の彼が、撮影した写真を通して広めたいというカピバラの魅力、そして考えてほしいという問題とは。

自称「カピバラ探検家」の写真家…絶対条件は“カピバラが中心”

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のんびり温泉につかっている姿が印象的なカピバラ。静岡県の浜松市動物園では、その可愛さを一目見ようと多くの観光客でにぎわう。

そんなカピバラのもとに訪れた男性。大きなリュックサックにカメラを入れ、他の動物にはわき目も振らず向かう。

カピゴン松島さん:
いますね~ この安定感が僕にとってはたまらないですね

浜松市に住む写真家で、自称「カピバラ探検家」のカピゴン松島さんだ。カピバラの姿を写真に収め、写真展などで魅力を伝えている。

カピゴン松島さん:
カピバラの魅力はゆっくり、のんびり。このストレス社会で、カピバラを見ていると、心を豊かにしてくれるというのが一番の魅力なんじゃないかなと

カピバラの周りから動かず・・・ひたすら写真を撮り続ける。

カピゴン松島さん:
 動物園での昼食ももちろんカピバラの前です。「目線ちょうだい」と言って、目線をくれる動物ではないので、あくまでカピバラたち中心に、自分が合わせて撮影していくのが絶対条件です

国内動物園は制覇…野生の姿を求め南米へ

松島さんが初めてカピバラを生で見たのは、大学4年生の頃に訪れた伊東市の伊豆シャボテン動物公園だった。カメラが趣味だったこともあり、その魅力に気付いたという。

カピゴン松島さん:
10分くらい観察していると、あれ?こいつら思った以上に動くぞ。この動くカピバラをカメラで撮影したら、面白いカピバラ撮れるんじゃないの?という発想が浮かんだんですね

その後、写真家となり、カピバラを撮影する毎日を送っていた松島さん。国内すべての動物園のカピバラを撮影し、さらに野生のカピバラにも興味を持った。

カピゴン松島さん:
まだ見知らぬ野生のカピバラたちの生きている姿、生活している姿は、南米各国広い土地ですので様々あると僕は思ったんですよ。そしたらじゃあ南米全土、カピバラが生息している国に足を運んでみてやろうじゃないかと

カピバラに魅せられた松島さんは2019年、ブラジルでの撮影を実現。その後はボリビアにも足を運び、活動範囲を広げている。

カピゴン松島さん:
集団で移動して、お昼ご飯を食べているという様子ですね。これが南米では至って当たり前の光景ですね

他にも、高速道路をのそのそと横断する姿や、ビルが見える公園を散歩するカピバラなど、日本では見られない野生の姿を撮影した。

実は警戒心が強いカピバラ。時には、ほふく前進で撮影を試みることもあった。

ピゴン松島さん:
ほ乳類全般にあてはまりますが、上から下に相手を見ると恐怖を与えると思うんですよ。威圧的な存在を感じさせないのはやっぱり小さくなって、相手との距離を縮めていくことが大事だと思います

高速道路やビル近くにも出没 生まれた懸念

南米で数十万枚にも上る写真を撮影してきた松島さん。野生のカピバラのありのままを映していく中で、心配な点が生まれた。

カピゴン松島さん:
南米で撮影していくと、街でカピバラたちが生活しているのを目の当たりにして、人間と生活環境が重なっている部分があることに気付いたんです

そして、こうした状況が続いた場合、カピバラの住みかがなくなることを懸念した松島さん。いまはカピバラの魅力を伝えるだけでなく、カピバラを通して環境問題にも関心を持ってもらいたいと考えている。

カピゴン松島さん:
カピバラは日本ではポップな人気のある動物になってきたので、子供たちにも、カピバラさんたちの住みかを守ろうね。と環境問題を考えられるきっかけになることをを願っています

日本ではかわいい癒しの動物というイメージのカピバラ。ありのままのカピバラを知ってもらい、より良い今後を作っていくためにも、探検を続ける。

(テレビ静岡)

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