中学校時代の山上徹也容疑者(41)は、そろいのユニフォームを着て写真におさまっていた。この時から約26年後、なぜ安倍元首相を銃撃するに至ったのか。

山上容疑者を知る中学時代の同学年:
模範的な中学生らしい、いい中学生。まず賢いですし、真面目ですし、不平不満も言わず、運動も勉強も平均以上にできる人。人生に失敗するタイプじゃないと思っていたので。

山上容疑者を知る人々の証言から、その素顔と過去に迫った。

勉強面で友人らに頼られ あだ名は「こてつ」

FNNが取材したのは、中学校時代の3年間、山上容疑者と同じバスケットボール部に所属していた男性。

山上容疑者を知る中学時代の同学年:
(山上容疑者は)小学生の頃から「こてつ」と呼ばれていて。誰かに嫌われることも(誰かを)嫌っていることもないが、目立ってしゃべっているイメージはない。おとなしい人。

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特に勉強面では、友人らに頼られる存在だったという。

山上容疑者を知る中学時代の同学年:
塾に行かずに勉強していた人だった。独学で賢い人だった。本当に毒っ気のない人だったので、みんな(勉強を)聞いていた。てっきり普通に大学行って、普通に就職しているタイプだと思っていた。

塾に行かずに勉強していたという
塾に行かずに勉強していたという

中学卒業後は奈良県内でも進学校として知られる県立高校に入学。そこでは中学校時代とは異なる一面が目撃されていた。

高校時代は「1人のイメージしかない」

学ラン姿でポーズを決めるのは、高校時代の山上容疑者。奈良県内で進学校といわれる県立高校に進み、応援団に所属した。

同級生は当時をこう振り返る。

高校時代を知る人:
(応援団の)声出しみたいな。学ラン着て、暑い中。結構真面目にやっている感じでした。(クラスでは)「団長」ってあだ名でいつもみんなに呼ばれていました。

クラスメートからは、団長と呼ばれていた山上容疑者。しかし「クラスでは1人のイメージしかない」という。

仲間から頼りにされていた中学校時代とは異なり、休み時間などを1人で過ごす姿をよく見かけたという。

自衛隊を辞めた後は職を転々…トラブルも

そして、高校卒業から数年が経った2002年8月、山上容疑者は海上自衛隊に任期制自衛官として入隊する。

防衛省は同姓同名の人物が佐世保教育隊に入り、護衛艦「まつゆき」で勤務していたとしている。この人物は「砲雷科」に所属し、銃や武器の取り扱いなど初歩的な訓練を受けた。

自衛隊を辞めた後、山上容疑者は様々な職場を転々としていたとみられている。2020年10月からは人材派遣会社を通じ、フォークリフトなどで倉庫内の荷物を運ぶ仕事についた。

ところが2022年1月ごろ、山上容疑者の様子が一変する出来事があったという。

派遣先の責任者:
1月ごろに決定的なトラブルがありまして。弊社に出入りしているトラックのドライバーさんとの間で、トラックへの荷物の積載方法について口論になった。

この後、職場を休みがちになり5月に退職。事件はそれから約2カ月後に起きた。山上容疑者は犯行のきっかけを「母親の宗教団体への入信」と話している。

(「イット!」7月11日放送分より)